「琉球処分―探訪人・大湾朝功」渡久山 寛三

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琉球処分―探訪人・大湾朝功
渡久山 寛三
新人物往来社
売り上げランキング: 1195890

【私の評価】★★★☆☆(70点)


■尖閣諸島に関連して、
 中国が沖縄も領土と主張しているとのことで、
 手にした一冊。


 あまり主観的表現がなく、
 歴史小説というよりも、
 物語形式の歴史の教科書といったところ。


 1871年(明治4年)、
 明治政府は廃藩置県を断行。


 続いて1872年(明治5年)、
 琉球王国を琉球藩とします。


(琉球側は形だけの変更と
 安易に理解していたようです)


 当時の日本は、

 明治5年 学制令
 明治6年 徴兵制
 明治6年 地租改正

 といった大改革を次々に実施しています。


 こうした改革により、
 日本国内には失業した武士、
 負担の増えた農民など
 不満が増大していきます。


・「徴兵令」布告一年前の明治五年に「学制令」が発布・・
 「村に不学の家なし」の郷里区理想のもと、
 義務教育制をとる・・・
 教育制と徴兵制は、「御一新」のシンボル(p32)


■そうした中、明治4年、台湾で難破した琉球人を
 山地族が殺害するという事件が発生し、
 この対応として日本は
 明治7年、台湾に軍を派遣します。


 (一つのガス抜きという面もあったようです。)


 清国は台湾から日本軍を撤退させる条件として、
 清国は賠償金を日本に支払い、
 琉球人保護という出兵の理由を正当化しました。


 つまり、琉球は日本であると
 清国が認めたことになったのです。


・大久保は、局面の大転換を迅速にはかることにした。
 その決断とは、台湾山地族の討伐である。
 国内の不平・不満を外に向けることである。(p40)


■それにより明治8年、
 日本は琉球に清国への朝貢の廃止を命令。


 琉球では、清国の介入を信じて
 引き伸ばし作戦をとりますが、
 清国には軍を派遣する力はありませんでした。


 そして、明治12年、首里城明け渡しが行われ、
 琉球処分が実施されたのです。


・琉球は南海の小王国であった故、
 今日まで武力を備えず、専ら口舌をもって
 外交の衝にあたって参りました。・・・(p49)


■あっけない琉球王国の消滅に、
 チベットのような武力の背景を持たない国の
 寂しさを感じました。


 そして、国内に問題のある国は、
 国外で軍事行動することで
 不平・不満を外に向けようとすること。


 今度は、中国が日本と同じように、
 力による尖閣処分を行うのかも。


 渡久山さん、良い本を
 ありがとうございました。


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■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・琉球国の清国への朝貢は二年に一回と定められているが、
 永年の期間、今日にいたるまで一回も絶えたことはない・・・
 ほしいままに法制の変更を強制するならば、
 外務卿閣下よ。当清国に対し、また琉球国に対し、
 侵略行為を行うことになるのではないか(p208)


・心中ひそかに、「わが王国は既に滅亡した。国王は
 東京に連れ去られた。
 今後、何んぞ日本に忠誠を尽くす必要ありや)
 とつぶやき、面従腹背の心を強めるのであった(p316)


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