「日本人と中国人」陳 舜臣
2012/09/01公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★☆☆☆(68点)
■1971年の書籍です。
神戸生まれ、本籍台湾の小説家が語る
中国人と日本人の特徴です。
一般論として、
日本はどんどん外のものを取りいれて
進歩してきた。
中国はなかなか外のものを取り入れない。
それは確かなのでしょう。
・身を取って名を捨てるか、名を取って実を捨てるか。・・・日本は前者で、中国人は後者である。(p212)
■一つ驚いたのは、
中国では文学は政治活動である、
という主張です
日本では小説は、
一つの娯楽のようなものになっています。
特に推理小説や純文学はそうでしょう。
しかし、中国では文化活動とは
政治活動であるというのです。
したがって、反権力の作家は弾圧され、
獄死、自殺、殺されるという、
多くの血が流れた歴史が証明しているのです。
・文化と政治がひきはがせない以上、別種の文化を導入しようとするとき、・・血なまぐさい政治活動とならざるをえない。・・文化活動は遊戯ではない。(p201)
■言葉の問題については、
微差がおそろしい、とは、
言いえて妙だと思いました。
大きな差であれば、すぐわかる。
小さい差だからこそ、
誤解が誤解を生み拡大してしまうのでしょう。
陳さん、良い本を
ありがとうございました。
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■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・中国人イコール商才の民・・・インドさんの商売はきつい・・・自分の接した相手だけによって、その国民を判断してはいけません。(p12)
・日本は明治開国まで、中国の『理念』を浴びるように受けたけれど、中国の『現実』には、ほとんど触れなかった・・・明治以後の日本人には、そのすさまじい現実が、ほとんど理念を汚染し尽した中国しか、眼に映らなくなったようだ。(p41)
・中国人の場合は、白扇が右を指しても、皆がそれに従うとはかぎらない・・・日本はもともと、気心の知れた連中ばかりが集まって、号令一下、自由自在にうごけた、幸福な生い立ちをもつ国なのだ(p86)
・ある字のニュアンスの微差のほうがおそろしい。僅かであっても、それによる誤解が積み重なる危険がある。誤解を誤解とおもわないのだから、どこまでふくれあがるかわからない。(p119)
・戦闘集団は滅びやすい。・・・蒙古などは、元朝をたてても、百年も中国統治がつづかなかった。満州族の清が二百数十年と、かなり長く続いたのは、彼らが豚を飼っていたからだ。(p224)
【私の評価】★★☆☆☆(68点)
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