「采配」落合博満
2012/02/11公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★★(94点)
要約と感想レビュー
中日ドラゴンズ監督の8年間においてリーグ優勝4回、日本一1回の実績を残した落合博満さんの一冊。落合さんの監督論は、"優勝"にとことんこだわるということ。クールというか、割り切った爽やかさを受けました。
監督という役職は、「こんな判断をしたら、周りから何と言われるだろう」というプレッシャーの中で、今、この一瞬に最善を尽くすことと定義しています。どんな仕事をしていたとしても、自分が自分の人生を前向きに切り開いていくことを大切にしていることがわかります。
・監督は嫌われ役でいい。嫌われ役がいい(p187)
人事においては褒章必罰、実力で選手を評価しています。その基準は、優勝するために貢献できるかどうか、ということだけなのです。ミスは叱らず、手抜きは叱るようにしていたという。手を抜いたレギュラークラスの選手を叱っていたというのです。
自由にしていいよ。ただ、結果が出せないから切るよ、という割り切りが落合さんの怖さを作り出しているのでしょう。例えば、「外泊したければすればいい。その代わり練習には必ず出てこいよ。もし遅刻したらわかっているな」と言っていたという。
選手の指導では、見てあげることを大切にしていました。コーチには、「どんなに遅くなっても、練習している選手より先に帰るなよ。最後まで選手を見ていてやれよ」と言っていたという。
最後の章は、自分の人生を悔いのない采配をしたらどうですか、という投げかけで閉められていました。なるほど。「采配」というタイトルは、そうした意味があったのですね。自分は、自分という人生の監督である、ということなのでしょう。落合さん、よい本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・数字との戦いは苦しいと書いたが、私なりの克服法・・それは、「達成するのは不可能ではないか」という目標を設定することだ(p46)
・一流の領域までは自分一人の力でいける。でも、超一流になろうとしたら、周りに協力者が必要になる(p54)
・自分がいいと思うものを模倣し、反復練習で自分の形にしていくのが技術というものではないか・・模倣とはまさに、一流選手になるための第一歩なのだ(p232)
【私の評価】★★★★★(94点)
目次
「自分で育つ人」になる(孤独に勝たなければ、勝負に勝てない;向上心より野心を抱け ほか)
勝つということ(「負けない努力」が勝ちにつながる;何でもアメリカ流でいいのか ほか)
どうやって才能を育て、伸ばすのか(ミスは叱らない。だが手抜きは叱る;欠点は、直すよりも武器にする ほか)
本物のリーダーとは(任せるところは、1ミリも残らず任せ切る;気心と信頼は別物 ほか)
常勝チームの作り方(自分で考え、働き、成長させる;自己成長に数値目標は無意味 ほか)
次世代リーダーの見つけ方、育て方(プロフェッショナルは、段階を踏んで育てる;監督の仕事は、選手ではなくコーチの指導 ほか)
著者経歴
落合博満(おちあい ひろみつ)・・・野球評論家、元・プロ野球選手。昭和54年ドラフト3位でロッテ入団。56年打率.326で首位打者になり、以後58年まで3年連続首位打者。57年史上最年少28歳で三冠王を獲得、60年には打率.367、52本塁打、146打点という驚異的な成績で2度目の三冠王とパ・リーグの最優秀選手(MVP)に輝いた。61年には史上初の3度目、2年連続の三冠王を獲得。通算成績は2236試合、7627打数2371安打、510本塁打、1564打点、65盗塁、打率.311
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