【書評】「パンツを脱ぐ勇気」児玉教仁
2011/08/11公開 更新
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【私の評価】★★★★★(94点)
■三菱商事の宴会部長が、
 ハーバードMBA留学でパンツを脱いだ。
 こんな熱い話があるとは!
 この本は、無口な田舎者の著者が、
 米国留学、三菱商事入社、ハーバード留学と
 歩みながら、だんだんと
 パンツを脱いでいく物語です。
 パンツを脱ぐとは、
 心のよろいを脱ぎ去り、
 そのままの自分でいるということです。
・僕がつかんだアメリカや国際社会での生き方、
 それは、「パンツを脱ぐ」ということ。・・・
 心にまとっているもの、自分を無意識に防御しているものを
 すべて脱いでとっぱらってしまうということだ(p212)
■この本の最後のクライマックスは、
 ふとして思いついた
 アメリカの手羽先料理の全米大会出場。
 両親と約束したのは
 アメリカで一番になること。
 誘われて全米一となった空手大会では
 なぜか満足できなかった。
 なぜか。
 最後にわかった。
 いままでは自分は、自分の「やりたいこと」を
 やっていなかったのだ。
 でも、このアホみないな
 手羽先料理の全米大会出場は自分で決めて、
 自分でチャレンジした。
 もうパンツを脱ぐしかないのだと。
・忘れていた。
 「人を驚かせ、感動させたい」という想い。
 それがすべてであったということを。・・・・
 僕はメモをグシャグシャと潰してポケットにねじ込んだ(p221)
■私のミッションステートメントも
 「驚きと感動を創造すること」
 同じミッションを持ちながらも
 私はまだ、著者のようにパンツを脱いでいないな
 と感じました。
 ほとんど寝ないで勉強した留学生活。
 父の死。
 著者のパンツを脱いだ姿が見える一冊です。
 児玉さん、
 良い本をありがとうございました。
━━━━━━━━━━━━━━━━━
■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・日本は熱い国だ・・・食って飲んで、
 歌いまくり笑いまくり、ほろりと泣いて踊りまくる民族。
 島国の熱い民。激しい血潮が通うお祭りの民。
 これまでたくさんの国の人々と交わったが、
 こんな情熱あふれる怒涛のお祭り民族はほかにいない(p14)
・製品を足で押して動かすアメリカ人の工員を見て
 「作ったものを足蹴にするとはどういうことだ」
 と憤る日本側に、「足が一番力があるから」と
 きょとんとするアメリカ人。八時間かかる製造テストの間、
 瞑想しながら臨戦態勢で結果を待っている日本側に、
 「妻とランチを食べてくる」と笑顔で去っていくアメリカ人(p95)
・「アメリカに行ってくる。いつかハーバードに行ってやる。
 そして何かでアメリカで一番になってくる」
 父ちゃんと母ちゃんは穏やかにほほ笑んでいた。(p108)
・親父がたまに言う言葉、
 「とことんやらなきゃ、つまらないよな」。
 父親は無口で酒もやらなかったが、
 何か物事をとことんやり、そして勝負を楽しんだ。
 切磋琢磨し、何かを極めようとするのが、
 とても楽しい行為と知っていた。(p135)
・事実アメリカ人はパンツを脱いだ人間を馬鹿にしなかった・・・
 ケーススタディでの発言。・・・
 教授が、クラスのみんなが一番聞きたいことは
 体重の乗ったパンチ、つまりその人の人生さえも
 載せている心の叫びだ。(p214)
【私の評価】★★★★★(94点)
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今回の「パンツを脱ぐ勇気」評で、特に共鳴したのは以下の引用でした。
>教授が、クラスのみんなが一番聞きたいことは
>体重の乗ったパンチ、つまりその人の人生さえも
>載せている心の叫びだ。(p214)
このごろ自分の言葉が、たとえ一所懸命話していても空虚に感じられ、
また周囲の人の話も同様に手ごたえがなく、
これはなんだろうと気持ち悪く思っていた矢先、
この一文に「ああそうだなあ」と素直にうなづくことができました。
「体重の乗ったパンチ=人生を載せている叫び」これですね!
「実感のある話」だとか「経験に裏付けられた」とか「飾らない本音の」等々言い方はあれこれありますが、いまの私にはそれこそ空虚に響いてしまいもやもやしていたのです。
同じことを表現するにも、言葉次第でパンチ力は変わる。
当たり前のようですが、あらためて感じております。
ありがとうございました。
ぜひ読んでみようと思っています
(ああ、また待機リストが!)