「暴走する資本主義」ロバート・ライシュ
2011/04/10公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★☆☆☆(69点)
要約と感想レビュー
日本でも貧富の差が広がっていると言われますが、日本の先をいく米国では企業の業績を上げるためのリストラが常識となっています。
日本の場合は、非正規労働者で人件費を削っていますが、米国では給与がカットされたり、リストラで失業する人が多いのです。
・お買い得品に出合ったら、それはその製品の材料を加工し、組み合わせ、はめ込み、固定した米国人の給与カットを呑んだか、完全に失業したからである場合が多い(p136)
しかし、こうしたコスト削減のおかげで、安い製品を買えるということもあるし、企業の価値が上昇すれば株価が上昇します。労働者は消費者であり、年金を通じて株式投資する投資家でもあるわけで、これは利益相反しているわけです。
こうした矛盾とバランスの中で経済活動が行なわれているわけで、日本もこのままアメリカのようになっていくのでしょうか。(もうなっているかも。)
震災もあったし、日本の未来を考えてしまいました。ライシュさん、良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・2004年に米国の所得分布上位1%の人だけで国の総所得の16%を受け取っていることを突き止めた。1980年には総所得の8%だったから、倍増したわけだ(p144)
・今日、米国で最高の収益を上げ、最多の従業員を抱えるウォルマートは、従業員に年平均17500ドル、一時間あたり10ドル弱しか支払わず、しかも福祉厚生を低く抑えるためなら何でもする(p122)
・ウォルマートが出店すると前と後のその地域の動労データを詳しく調べた研究によれば、出店後は近隣の小売業の賃金が3.5%低下したという(p160)
・全体的な政治決定プロセスが、企業ロビイスト、弁護士、広報の専門家に支配されており、企業マネーが日常的に民主主義を飲み込んでしまって、市民の声を届けることがほとんど不可能になっているのだ(p291)
▼引用は下記の書籍からです。
【私の評価】★★☆☆☆(69点)
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