「社長さん！借金の返済額を99％カットする究極の一手、教えます！」山田高ノ介

【私の評価】★★☆☆☆（66点）

要約と感想レビュー

　テレビドラマでは、借金を返せない家族が夜逃げをしますが、実際には、銀行への借金を返せないといって夜逃げをする必要はありません。ただし、友人から借りたり、高利の借金はしないことが前提条件となります。当面の窮地をしのぎたい気持ちはわかりますが、そこまで事業が悪化したら、素直に銀行に相談することです。

　つまり銀行に現状を説明して、再建策を一緒に考えてもらうのです。こちらが誠意をもって再建案を提案すれば、銀行も債権を少しでも回収するのが目的ですから、合理的な助言と支援をしてくれるはずなのです。

・もし、銀行以外での借金をしなければ会社を維持できないとしたら、根本的に自分の事業を見直す冷静さが必要です（p44）

　そして、いきなり法的処理を考える必要はないのです。銀行も金貸しのプロですから、法的処理で清算するよりは、少しでも債権を回収できる可能性があるのであれば、借金のリスケジュールもしてくれます。時間を稼いで、本業を立て直す手立てを考えるのです。

　あくまで裸になって誠意を示して、やれることはすべてやるというのが前提なのでしょう。銀行は敵ではなく、共通の利害関係を持った関係者なのです。

・必要だったのは「銀行に返済をストップする」ことを伝える勇気だけだった（p232）

　サラリーマンの私には縁の遠い世界でしたが、よくよく考えると借金を返せない人よりも、借金を返してもらえない銀行のほうが困っているはず。逃げないで、銀行とは誠実に付き合いたいですね。

　山田さん、良い本をありがとうございました。

この本で私が共感した名言

・主に中小企業が銀行融資で利用する信用保証協会付き融資は・・・企業が返済不可能になれば、保障協会が債権の80％を代わりに銀行へ返済するので、銀行はあなたが思っているほど損をしません（p48）

・債権回収会社との交渉に入りますが、スタンスとしては「誠意を持って接する」のひと言に尽きます（p157）

・経営者は自宅を購入する際、住宅ローンは別の銀行にすること。（p116）

【私の評価】★★☆☆☆（66点）

目次

第１章　すべての経営者が資金繰りや借金で悩んでいる
第２章　銀行との交渉を始める前にやっておくこと
第３章　債務整理のためのガチンコ交渉のしかた　対銀行編
第４章　反撃の拠点となる自宅を死守するための事前準備
第５章　債務整理のためのガチンコ交渉のしかた　対債権回収会社編
第６章　あなただけに教える債務整理の超ウラ技
第７章　このやり方であなたの大切なものがすべて守れる

著者経歴

　山田高ノ介（やまだ　たかのすけ）・・・リクルートのグループ会社で5年間飛び込み営業をする。退社後、粗大ごみを広い、それをフリーマーケットで売り始める。フリマを商売とし古着を中心に販売。フリマで貯めた資金を元手に湘南で古着屋をオープン。ブームに乗り2号店、他業種にも乗り出す。メガバンクから1億2000万円の借入をするが、ブームが去り業績悪化。さらに天災により店舗が壊滅状態に。なんとか事業再開にこぎつけるが、ついに破綻。莫大な借金が残る。しかし、本書に記す方法で月々の返済額を100分の1にし、現在は店舗を再開、再び盛況となる。現在は、中小企業再チャレンジ支援問題にも取り組み、自己再生プロデューサーとしてコンサルティングやモチベーションアップのセミナー講師も行なっている。

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