「誰が文明を創ったか―ブッダからシェークスピアまで」ウィル・デューラント
2010/12/03公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★☆☆☆(66点)
要約と感想レビュー
古代ローマからキリスト教までの歴史を記した一冊です。歴史というものは、書く人によって変わるものですが、知らないよりは知っておいたほうがいい。この本からわかるのは、宗教と金と思想と軍事力が歴史を動かしてきたということです。
歴史を見ると民主主義というものは試行錯誤、権力闘争、暴力で得られてきた歴史がわかります。民主主義は闘争によって得られたものなのです。日本の民主主義も、明治維新と戦争敗北によって進んできました。
そして西欧ではキリスト教が国教となることで、極端な聖書に書いてあることを正当化する歪みもありましたが、人民の秩序を保つことの一助となったのも事実のようです。
デューラントさん、良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・仏教は紀元前三世紀、アショカ王の下で栄えた後、インドでは急激に衰退し、その代わりに暑いセイロン(現・スリランカ)で栄えた。(p48)
・プラトンは紀元前427年に裕福な家庭に生まれた。彼は長年ソクラテスの熱心な弟子であったが、師と同様に民主主義を嫌悪していた。(p148)
・行動の目的は幸福であるが、幸福の秘訣は徳であり、最高の徳は知性である。これがアリストテレスの根本思想である。(p152)
・古代ローマの道徳的腐敗の後には、キリスト教が興隆し、コンスタンティヌス帝によってキリスト教が公認・保護され、秩序と節度が保たれた(p18)
・異端審問は、異端者の抹殺は聖書によって正当化されているとの前提に基づいて行われた。(p267)
・ドイツでは、聖職者に対する批判は、主に高位聖職者と、その贅沢さと世俗性に向けられていた。一部の主教や修道院長は、教会が所有する莫大な土地と財政を管理しなければならなかった(p406)
・ルネッサンスの実現には資金-悪臭を放つ、ブルジョアの金ーが必要だった。・・・財力こそはあらゆる文明の基礎である。(p282)
・レオナルドは人生の半分を、人が空を飛ぶことについて考えて過ごした。彼はトルストイのように、鳥類は人類よりもあらゆる点で優れていると考えた(p319)
【私の評価】★★☆☆☆(66点)
目次
第1章 文明とは何か?
第2章 孔子と「天上から流された仙人」李白
第3章 インド―ブッダからインディラ・ガンジーまで
第4章 ピラミッドからイクナートンまで
第5章 ユダヤ人の哲学と詩
第6章 古代ギリシャ―西洋哲学と民主主義の誕生
第7章 アテネの黄金時代
著者経歴
ウィル・デューラント(Will Durant)・・・1885~1981。作家、著述家。1968年にピューリッツァー賞を、1977年に大統領自由勲章を受章している。『西洋哲学物語』には執筆に50年を費やした。
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