「成功は一日で捨て去れ」柳井 正
2010/09/24公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★★(94点)
要約と感想レビュー
ユニクロ社長の柳井さんの一冊です。一時、玉塚さんがユニクロ社長になりましたが、当時のユニクロの印象は野菜を売ったり、何しているのかな、といったものでした。柳井さんが社長復帰してからは元気になったように感じましたが、この本を読んでどうして柳井社長だとユニクロが元気になるかわかりました。柳井社長は、次々と手を打つ人なのです。
その一方で、スピード感を持って決断するだけあって暴走するリスクも認識しているようです。社長の暴走を止めたり、諫めたり、スピードダウンさせたりするのが社外役員(取締役・監査役)なのです。
・ぼくは常日頃から会社というものは、何も努力せず、何の施策も打たず、危機感を持たずに放っておいたらつぶれる、と考えている。(p35)
そして、柳井社長自身が現場を知っていて、社長も提案するし、部下にもそれなりの仕事を要求しています。社長自らが「ここが間違っている。ぼくがやってみせるから、あなたたちもこれを見て覚えなさい!」と言えなければ、会社は変わらないとまで言っています。
だから、商品開発、サービスなどで、次々と新しい動きが出てくるわけです。問題点を洗い出し、もっと徹底的にその方策を考えて実行することに命をかけているというのはすごい。最近だと、店舗サービス、商品デザインに力を入れているように感じます。
・現場を誰よりも熟知していますか?問題点や回答を現場で見つけていますか?現物を手に取って、自分の目の前で商売していますか?現物をあらゆる角度から見ていますか?(p25)
私個人としては、現場で課題を見つけているのか。そしてそれに対する打ち手を考えて、実行しているのか。と、考えるとまったくできていないのです。課題が見えました。柳井さん、良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・経営は常に「砂上の楼閣」と同じである。油断して自己点検、自己変革しなくなったら、その時点で終わる。(p219)
・実験=試行錯誤できることこそが、SPAの本当の強みであろう。(p87)
・良い企業であるための条件のひとつは「即断、即決、即実行」である。あらゆる問題に対し、自分自身の問題と素早く痛切に感じ、そのうえで即断、即決、即実行をしていかないと会社の存続にとって致命傷になる。(p89)
・経営とは、人間の創意工夫で矛盾の解決をすること(p147)
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【私の評価】★★★★★(94点)
目次
第1章 安定志向という病
第2章 「第二創業」の悪戦苦闘
第3章 「成功」は捨て去れ
第4章 世界を相手に戦うために
第5章 次世代の経営者へ
著者経歴
柳井正(やない ただし)・・・1949(昭和24)年、山口県宇部市生れ。(株)ファーストリテイリング代表取締役会長兼社長。早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。ジャスコを経て、1972年、父親の経営する小郡商事に入社。1984年、カジュアルウェアの小売店「ユニクロ」の第1号店を広島市に出店し、同年社長に就任。1991(平成3)年に社名をファーストリテイリングに変更。1994年広島証券取引所に上場し、1997年東証第2部に上場。1999年2月には東証第1部に上場
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