「ぶれない―骨太に、自分を耕す方法」平山 郁夫
2010/04/19公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(89点)
要約と感想レビュー
■昨年、訃報を聞いた
平山郁夫さんのことを知りたくなって、
この本を購入しました。
平山郁夫さんが生涯を通じて学んだことを
この本から学びとることができます。
■平山さんは、日本画を必死に学びながら、
同時に非常に悩んだようです。
一生懸命、努力するのだけれども
なかなか成果につながらない。
この道がはたして正しかったのか、
この道で本当に良かったのか
思案したようです。
・私は、授業のない休日など、「さあ、今日は100人の顔をデッサンしてくるぞ」と、自分を鼓舞して上野の街に出かけました(p18)
■しかし、その悩みを救ったのは、
なんと被爆の後遺症で体調が悪くなり
「死」を意識したときだったのです。
自分の生きた証を残したい。
その一心で絵を描いたときに
道は開けたそうです。
・本当の勉強は逆境のときにある、ということです。逆境につぶされたら、また興せばいい。そうするうちに、どんどんたくましくなる。このことに気づいた者が勝ちです。(p160)
■平山さんは大祖父から助言され、
読書から学び、
自然のデッサンから学び、
ひたすら絵に打ち込みました。
ここで読書が出てくるのが
うれしかったです。
・学生時代につけていた「読書録」が今も手元に残っています。それを見ると、ひと月に10冊平均、五年間で600冊以上の本を読破しています(p153)
■イチローと同じことを言っているな~と
思いつつ、一流の人は同じことを
言われるようです。
天才より努力であると。
平山さん、
よい本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・毎朝、六時に起床し・・・仏壇に線香をあげ、手をあわせる。両親や恩師、亡くなった友人たちに向かって、「今日もこれから仕事に取りかかります」と語りかけるのです(p33)
・大祖父が・・・「古典を学べ」・・・「古典の勉強と同時に、自然をよく見ることも大切だ。写生をどんどんして自然から学びなさい」(p52)
・大祖父に言われた心構え・・・「一流に接しろ」とにかく一流のものを観、一流のものを聴け、と。たとえお金はかかっても、それが自己投資だと思って、機会があればなるべく一流に接しろ、二流は観るな(p65)
・無心に基礎力をつけているうちに、いろいろなことが見えてくる。私はよくこのことを「稽古(練習)量がモノをいう」と言っています。(p79)
・才能を大成させるには、個性を形づくる理念や人間性、人格が必要なのです。・・・反復し、持続することによって、やっと身についていく。百回でできないことは二百回やる。それでもダメなら千回やってみる(p86)
・私自身、学長をやってみてよくわかりますが、何事も「私心」が入るとダメなのです。(p182)
・歴史書には「どうやると物事は発展し、何をやるとダメになり、滅びてしまうのか」が書かれています。そのような事例を単なる知識として記憶するのではなく、お手本として学びながら自分の行動原理を作り上げていく(p47)
・毎朝10分から15分の柔軟体操は欠かせません・・・そして掃除。・・・隅々までみがくと30分ほどかかり、うっすら汗ばむほどに筋肉を使います。・・・これで心と体の準備を整え、一度アトリエに入ると三時間は集中し、それを一日に三回行うのが日課です(p192)
▼引用は下記の書籍からです。
【私の評価】★★★★☆(89点)
著者経歴
平山 郁夫(ひらやま いくお)・・・1930年生まれ。東京美術学校(現東京藝術大学)日本画科卒業。53年日本美術院展で初入選。59年「仏教伝来」を制作、61年「入涅槃幻想」で日本美術院賞(大観賞)を受賞。98年文化勲章受章。現在、(財)日本美術院理事長。2009年没。
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