「生かされて」イマキュレー・イリバギザ
2009/06/28公開 更新本のソムリエ [PR]
Tweet
【私の評価】★★★☆☆(71点)
■最近、アフリカでは、スーダンで虐殺が発生し、
中国の関与を批判するニュースをよく耳にしましたが、
1994年にもルワンダで虐殺が発生しています。
その虐殺の中で生き残った著者の体験の記録が
この本です。
■この本でわかるのは、虐殺の原因が、
ルワンダ人にもあるのでしょうが、それよりも
外からの影響が大きいということです。
特に、アフリカを植民地として侵略した
ヨーロッパ諸国の影響が大きいということです。
・ツチの王が統治していたルワンダは、何世紀ものあいだ
平和に仲良く暮らしていたのです・・・ベルギーは、
少数派のツチの貴族たちを重用し、支配階級にした・・・
ベルギー人たちが人種証明カードを取り入れたために、二つの
部族を差別するのがより簡単になり、フツとツチのあいだの溝は
いっそう深くなっていきました(p42)
■民族の対立が、虐殺にまで発展するという事実は
非常に怖いものがありました。
隣国には反日教育を推進している国があるのですから、
自らの国は自らが守らなくてはならないのでしょう。
・ツチのやつらは、いつも自分たちの方が優れていると
思っているんだ。いつだってフツを見下している。
もし今でも権力を握っていたら、彼らはすぐにでも僕たちを
殺すとは思いませんか?
だから、彼らを殺すのは、自己防衛なんですよ(p160)
■虐殺はどこでも起る可能性がある。
今は日本は安全のように思えますが、
この安全を今後も私たちは守っていかなくてはならない
のだと思いました。
本の評価としては、★3つとしました。
─────────────────
■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・私たちは、政府の大臣が、国立ラジオ局で話しているのを聞きました。
「・・・ツチの蛇どもは我々を殺そうとたくらんでいる。
最初に我々が彼らを殺すのだ。見つけ次第殺せ。・・・」(p166)
・国連は、虐殺が始まってすぐに平和部隊を引き上げることにしました。
・・・私たちの前の宗主国だったベルギーは、
一番最初に兵士を引き上げたのでした。(p190)
・お前が自分の子どもを持ったら、イマキュレー、
一瞬一瞬を心から楽しむことを忘れてはいけないよ。
彼らは、あっというまにいなくなってしまうのだから(p74)
▼引用は、この本からです。
PHP研究所
売り上げランキング: 11741
人間の精神面の弱さを
生かされて
衝撃的に美しい魂
崇高な精神
【私の評価】★★★☆☆(71点)
■著者経歴・・・イマキュレー・イリバギザ
1994年のルワンダ大虐殺で両親と兄弟を失う。
1998年アメリカに移住し、国連で働き始める。
ニューヨーク在住。
─────────────────
■関連書評■
a. 「インテリジェンス武器なき戦争」手嶋 龍一、佐藤 優
【私の評価】★★★★☆
b. 「エコノミック・ヒットマン」ジョン・パーキンス
【私の評価】★★★★★
c. 「ボロボロになった覇権国家」北野 幸伯
【私の評価】★★★★★
d. 「国家情報戦略」佐藤 優、コウ・ヨンチョル
【私の評価】★★★☆☆
読んでいただきありがとうございました!
いつも応援ありがとうございます。
人気ブログランキング
に投票する
メルマガ「1分間書評!『一日一冊:人生の智恵』」 35,000名が読んでいる定番書評メルマガです。購読して読書好きになった人が続出中。 >>バックナンバー |
配信には『まぐまぐ』を使用しております。 |
お気に入りに追加|本のソムリエ公式サイト|一日一冊:今日の名言
コメントする