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「「なりたい自分」になる心理学」国分 康孝

2009/06/24公開 更新
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【私の評価】★★★★★(94点)


要約と感想レビュー

多くの本を読んできましたが、この本はもっと若いとき、できれば学生時代に読みたかったと思いました。これこそ、本当に使える心理学といえるものでしょう。この本でお勧めするのは、あるがままの自分を受け入れることです。自分を良くしようというのではなく、今の自分を許し、そのままの姿で生きるのです。


人間関係で悩むのは、自分にも意志と欲望があり、相手も同じであることを知っているからだと思います。自分も立てたいし、相手にも配慮したい。真面目な人はそこで悩むのです。著者は、こうした人に対して人に好かれることにこしたことはないけれども、かならずしも人に好かれる必要はない、と助言しています。自分を出していいのです。自分を許すことで、自分を出すことを許すのです。


・人に好かれないからといって自分はダメ人間というわけではない。人に好かれたらそれにこしたことはない」と考えればよい。(p46)


このように、自分を出して生きることには、三つの利点があるといいます。一つは、自分の精神衛生によい。二つ目は、対立から関係が良くなることもある。そして三つ目は、相手に舐められなくなる、ということです。いいたいことを言うことで、気分が良く、相手との関係が良くなり、舐められなくなると、いいことずくめです。


世の中には、人間関係をうまくやることばかり考えている人がいますが、それでうまいくこともあれば、弱みにつけこんでイジメられるリスクもあるのです。人生で一番大切なのは、自分の生きたいように生き、やりたいことをやる、ということであり、もし自分のやりたいことに不正に邪魔する人がいるとすれば、圧をかけなくてはなりません。著者は「波風をたてねばならないときには、波風をたてねばならない」という気力を持つことが大切であると表現しているのです。


・ここぞと思うときにいいたいことをいうのは、いう側の精神衛生のためにもなるが、いわれた側が畏敬の念をもってくれるという意味もある(p160)


あるがままの自分を受け入れて喜んで生きているというのが、最高にハッピーになる条件です。といっても、自分らしく生きるのには勇気と知識が必要となります。自己開示することで、失敗することもあるでしょう。ただ、自己を開いている方が、開かないよりは人生は楽しいというのです。びくつかないだけ楽しいのです。


「自分の生きたいように生きるのだ」という決意が必要だと思いました。そのためにもこうした本に学び、人に学びぶ必要があるのです。こうした人生に関係する内容は、義務教育で教えていただきたいものだと思います。それまでは自分で買って読むしかありませんので、安いのでぜひ買っていただきたい一冊です。國分さんの本は、言いたいこと一つに対してかならず体験談がついていてわかりやすい。お薦めです。本の評価としては、★5つとしました。


この本で私が共感した名言

・人の心の中までは読みとれない。・・・だから、悪意がなくて人を傷つけるのはやむえをえない。まず、そういうふうに覚悟を決めないことには自己は開けないだろう(p69)


・自己を開くときに、第二に、何を開くかというと、価値観を表現するのである(p77)


みずから役割を探さなければならない(p120)


・自分が尊敬する人は、考え方から箸の上げ下ろしまでまねしてみる(p149)


▼引用は、この本からです。


【私の評価】★★★★★(94点)


目次

1 "今の自分"が好きになれるか
2 この"心の開き方"が自分を変える
3 疲れを明日にもち越さない生き方法則
4 この賢い「まね」が自分を伸ばす
5 対決を恐れていては大きくなれない
6 感謝の気持ちひとつで広がる人生
7 自分の生きたいように生きる「自己確立法」



著者経歴

國分 康孝(こくぶ やすたか)・・・1930年生まれ。哲学博士。フルブライト交換研究教授、東京理科大学教授、筑波大学教授を経て、現在、日本カウンセリング学会理事長、東京成徳大学教授。


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