「俺は、中小企業のおやじ」鈴木 修
2009/04/29公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(80点)
要約と感想レビュー
■軽自動車、オートバイを生産している
スズキ社長の鈴木さんの一冊です。
スズキは売上高は3兆円ですが、
ガラス、タイヤ、バッテリーなどの部品を除けば、
実際の売上高は5000億円程度の
中小企業であるというのが
鈴木さんの持論です。
■この本では、スズキの発展と危機の
歴史を見ることができます。
アルトの開発、ジムニー誕生秘話、
海外進出の失敗と成功・・・。
それは、鈴木社長の人生とも重なるのですが、
成功と失敗の繰り返しの中から、
なんとか生き残ってきたという感覚が
伝わってきました。
■私が一番強く共感したのは、
海外でのスズキの得た教訓です。
まず、工場は自分の手で作り上げたほうが、
良いということ。
工場を買収しても、
設備と人を日本流に変えることは
一筋縄ではいきません。
それなら、最初から作るほうが苦労はしますが、
確実に日本流の工場を作れる可能性が
高まるわけです。
・会社というのは、いろいろ手間がかかっても一から自分でつくりあげたほうが、いい結果が出る・・・外国については実際にはわからないことのほうが多いのです。私は金輪際、外国企業を買収しようとは思いません。(p172)
■海外市場にも進出している企業のトップが
どのように考え、判断しているのか、
非常に興味深く読めた一冊でした。
海外にも関係している
ビジネスマンにお薦めの本として、
本の評価としては、★4つとします。
この本で私が共感した名言
・金融危機・・・こういうときには、外注先にコスト削減を強いるのはもってのほか・・・内なるコスト削減・・・不良率を減らす・・・不要不急の設備投資をやめる、ムダな残業をやめる(p10)
・クルマ1台あたりの売上は100万円ですが、利益は3万円でしかない。また、クルマは、1台あたり1万点とも3万点ともいわれる・・・1部品あたりの利益は、わずか1円50銭(3万円÷2万点)にすぎない(p99)
・私にとって、技術者の処遇というのは大事なポイントです。・・・「会社のトップが会長、社長なら、そのうちひとりは技術者であるべきだ」というのが私の持論です(p113)
・インド・・・2000年には、労組のストもありました。・・・「1年でも2年でもやらせておけ」と答えました。・・・給料が止まるとどうしても我慢できなくなって働かせてくれと言ってくる・・・ストのひとつやふたつで腰砕けになるようでは経営者失格です(p205)
▼引用は、この本からです。
【私の評価】★★★★☆(80点)
著者経歴
鈴木 修(すずき おさむ)・・・スズキ株式会社 代表取締役会長兼社長。1930年生まれ。大学卒業後、銀行勤務を経て、58年鈴木自動車工業入社。2代目社長、鈴木俊三氏の娘婿となる。63年取締役。67年常務。73年専務。78年社長。2000年会長。2008年再び社長を兼務。
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スズキ自動車という上場企業は存在しない。
「スズキ株式会社」が正しい社名なので、良く覚えておくように。
教えていただいて、
ありがとうございます。