「編集者という病い」見城 徹
2008/12/04公開 更新

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■私の書評ブログ内を「幻冬舎」で検索してみました。
こうして検索結果を見てみると幻冬舎の本は、
迫力があり、中身の濃いものが多い。
当然★も多く、すごいことだと思います。
■本書は、角川書店を飛び出し、
幻冬舎を作り上げた
見城さんの自叙伝になっています。
どうやって尾崎豊、石原慎太郎、坂本龍一、
松任谷由美、村上龍のようなきら星のような人と
人間関係を作ることができたのか?
それは、見城さんが死ぬ気で
作家と付き合っていたからです。
・書き手に死ぬ気でお願いするっていう以外には
僕らの仕事は進行しない。
僕が部下に言っているのはたった一つです。
「お前の人生の重さの中でものを言わない限りは、
書き手に対して説得力がないし、
書き手はおまえに何かをやってやろうとは思わないよ」と。
だから、キッチリ自分の体重をかけろって(p227)
■大物と仕事をしたい。
好きな人と仕事をしたい。その思いをぶつけていく。
だから本気であらゆる努力ができるし、
しなくてはならない。そうした迫力を感じました。
作家も、幻冬舎の編集者の迫力に、
全力で書かなくてはならないという
気になるのでしょう。
・大家といわれる人たちには、あらゆる手段を使って・・・
手紙を毎日書いてみたり・・・近づいていく。
もちろん、その人の作品が好きじゃないと
そこまでできない。
好きであればどんな努力でもできる。(p147)
■見城さんは、小さいころいじめられていたそうです。
"タコ"というあだ名で馬鹿にされた。
そうした劣等感に対して、自分の価値を証明するために、
挑戦してきたように感じました。
60歳を前に、俺の人生はなんだったのかと、
本書をまとめられたのでしょうが、
すごい本を作ってきたという実績は、微動だにしません。
★5つとしました。
─────────────────
■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・当時は角川書店とは仕事をしないという作家がいっぱい
いましたから、とにかくその人たちを落としてきて
仕事をしよう、そうじゃなかったら自分の価値はない、
そう思った。(p146)
・これは面白いと思った連中に肩入れするわけですよね。
こんな面白い芝居が知られていないのが悔しい。俺が
世に広めたいと思い始める。そのために、あらゆる協力
を惜しまなかった。そうやって・・・
どんどん有名になっていくわけです。(p184)
・小さなことにくよくよするな!なんてウソだ。
小さなことにくよくよせずに、大きなことを
プロデュースでいるわけがない。(p196)
・そもそも利益構造、流通制度が、後発の出版社には
利益が少ないようにできているんだから、
新しい出版社が育っていくのは難しい・・・
大手の出版社なら取次に千円の本を720円で卸せるわけ。
ところが、新参の出版社は620円でしか卸せない(p239)
▼引用は、この本からです。
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【私の評価】★★★★★(91点)
■著者経歴・・・見城 徹(けんじょう とおる)
1950年生まれ。幻冬舎代表取締役社長。
1975年角川書店入社。
1993年幻冬舎を設立。
2003年幻冬舎がジャスダックに上場。
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