「千年、働いてきました―老舗企業大国ニッポン」野村 進
2008/01/16公開 更新本のソムリエ [PR]
Tweet
【私の評価】★★★★☆(84点)
■日本には、創業百年以上の会社が、
十万社以上あるそうです。
ところが、日本を除くアジアでは、
百年以上の会社自体がそれほどないという
事実があります。
・創業百年以上・・・十万社以上と推定されている・・・
日本以外のアジアでは、まず百年以上も
歴史のある店や会社を探すのすら、相当に難しい。
お隣の韓国には俗に「三代続く店はない」と言われる・・・
中国には・・・
百年以上続いている老舗が何件もある。(p23)
■この背景には文化的なものがあるのでしょうが、
著者は、その理由として次の2つをあげています。
まず、日本人が職人を好むことから、
その職人の技術が、代々受け継がれる可能性が高いこと。
・さまざまな分野で、手仕事の稼業や製造業が、親から子へ、
子から孫へ、孫から曾孫へ、曾孫から玄孫(やしゃご)へ・・・、
と受け継がれている。・・・"職人"を好む(p31)
■そして、会社を同族内だけで運営するのではなく、
優秀であれば養子などに経営を任せるなど、
人事の自由度が高いということです。
・華人を含むチャイニーズの企業で、
実の長男をさしおいて、
養子や赤の他人がトップに立つことは、
まず絶対に考えられない。・・・
一方、日本の商都・大阪には
「息子は選べないが、婿は選べる」
という言い習わしがある。(p134)
■日本だけに、十万社もの百年続く企業があるという
事実に、少し日本人としての誇りがもてました。
日本人というものを考える一つの視点になると
思いましたので、★4つとします。
─────────────────
■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・世界最古の会社はどこにあるのだろうか?・・・
実はここ日本にある。
その会社、いつから現在まで続いているのか?・・・
答えは、西暦578年、時代で言えば、
なんと飛鳥時代(p19)
・三百年も続いてすごいなと思われるかもしれないですけど、
実際われわれとしては三百年生きてきたという
認識は持ってないんですよ。
それはあくまでも結果ですよね。
毎日毎日積み重ねた結果が三百年になったわけでして、
それは五百年経ったとしても同じでしょう。
(福田金属)(p49)
・世界最大のシェアを誇るノキアのケータイにも、
エプソントヨコムの人工水晶が埋め込まれている。
ちなみに、ノキアもまたフィンランドの老舗企業で、
1865年の設立時は製紙会社だった。(p177)
・中国じゃ従業員が、よく会社の品物を
黙って持って帰っちゃう。・・・
会社への忠誠心なんてないんだから。
それなのに経済産業省のバカどもは、
うちら中小企業に『中国に行ったらどうですか』とか、
いまだに言ってくる。中国に出て裸で帰ってくる人が
いっぱいいるっていうのにね。(p172)
▼引用は、この本からです。
角川グループパブリッシング
売り上げランキング: 25094
ビジョナリー・カンパニー
掘り下げは浅いがこれでいいと思う。実に楽しく読むことができた。
TBSはパクったの?
タイトルは、「百年以上、働いてきました」にすべき
【私の評価】★★★★☆(84点)
■著者経歴・・・野村 進(のむら すすむ)
1956年生まれ78年フィリピンに留学。
「フィリピン新人民軍従軍記」を発表し、ライターとなる。
アジア地域、医療、メディアなどの分野で取材、執筆を続ける。
拓殖大学国際開発部教授。
読んでいただきありがとうございました!
この記事が参考になった方は、クリックをお願いいたします。
↓ ↓ ↓
人気ブログランキングに投票する
メルマガ「1分間書評!『一日一冊:人生の智恵』」 40,000名が読んでいる定番書評メルマガです。購読して読書好きになった人が続出中。 >>バックナンバー |
配信には『まぐまぐ』を使用しております。 |
お気に入りに追加|本のソムリエ公式サイト|発行者の日記
コメントする