【書評】「僕の見た「大日本帝国」」西牟田 靖
2007/11/08公開 更新

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【私の評価】★★★☆☆(73点)
■「大英帝国」という言葉があったように、
「大日本帝国」という言葉がありました。
大日本帝国とは、
日本、台湾、朝鮮半島、サハリンの南半分、
そして太平洋の島々からなる国家です。
・戦前のアジア太平洋地域の地図を見ると、
日本の領土が現在よりずいぶん広いことに気がつく。
朝鮮半島や台湾、サハリンの南半分、
そして太平洋の赤道のあたりまでが
日本領となっているのだ。(p17)
■著者の西牟田さんは、この「大日本帝国」の地図を見て、
これらの日本領であった国々を
旅してみようと決心しました。
短期間の旅で、現地の実際の姿を
知ることはできないでしょうが、
現地に行かないよりは、
より現実に近づけるはずです。
■南の島には、日本へのアメリカ侵攻を防ぐために、
少ない武器で、玉砕していった人たちの
名残がありました。
日本の国のために自分の命を捧げた人たちがいた
という事実を私たちは知らなくてはなりません。
・(ペリュリュー)神社には敵将ミニッツ提督の
言葉の彫られた碑もあった。
「この島を訪れるすべての国の人よ。
この島を守った日本軍将兵が、
いかに勇敢に祖国愛に燃えて戦い、
玉砕したかを語り伝えよ」(p354)
■最近、沖縄で集団自決を日本軍が強制したという記述が
教科書から削除されて問題になりましたが、
気持ちはわからないではありませんが、
日本軍がすべて悪いというのは、
現実とは違うように感じました。
・そのころの日本人はアメリカ人など
見たことがない人が多かったし、
捕まったら殺されると思っていたのは
仕方のないことなのかもしれない
(その後終戦直前にソ連軍がなだれ込んできた
満州では現実に地獄絵図が繰り広げられたのだ)(p380)
■戦前は、日本の軍事力を
ちゃんと把握していませんでしたが、
今は、愛国心の大切さをちゃんと
把握していないように感じます。
反日・愛国などということではなく、
日本の歴史と、日本を考えるために
良い本だと思いましたので、
★3つとします。
─────────────────
■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・「特攻隊の人たちは精神が純粋で
『お国のために』と思っていましたから、
任務を疑問に思っている人は
見かけませんでした」(台湾の鄭さん)
・満州から来た日本兵に、食いものと女持ってこい、
と怒鳴られたこともありましたよ。・・・
日本は戦争に負けてしまったが、日本が戦った
からこそアジアが列強から解放されたとう
側面もあったんだよ。(韓国の張さん)(p172)
・グアムを除く島々は二十世紀の前半、南洋群島と呼ばれ、
三十年ほどの間、日本に統治されていた。
ドイツ領だったミクロネシアを日本が無血占領したのは
1914年(大正3年)、第一次大戦中のことだった(p331)
▼引用は、この本からです。
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【私の評価】★★★☆☆(73点)
■著者経歴・・・西牟田 靖(にしむた やすし)
1970年生まれ。8か月会社員として勤め、
地球一周の船旅に出て、ライターとなる。
タリバン支配下のアフガニスタン侵入、
空爆停止直後のユーゴスラビア突入など
挑戦的な旅を続ける。
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