「頭のいい人が儲からない理由」坂本 桂一
2007/05/04公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(72点)
●「筆王」、「AI将棋」、DTPソフト「ページメーカー」など
日本のソフトウェア業界で第一線を走ってきた
坂本 桂一氏の一冊です。
みずからビジネスを立ち上げ、商品を創造し、拡販してきたその視点には、
結果を出してきた人が持つすごみがあります。
・人が一努力するところを、自分はニ努力するということだ。
・・・だが、ニの努力をできる人は実際にはほとんどいない。(p16)
●創業時には、ソフトウェア大企業ハドソンを訪れ、
商売の方法を教えてもらったという武勇伝を持ちます。
ソフトバンクの孫正義が、創業前に日本マクドナルドの藤田田を訪問し
商売の相談したという逸話を思い出し、成功する人間に共通する
自己イメージの高さと、成功への執念を感じました。
・ハドソンを訪ね、「私はこれからあなたたちと同業者になる。
・・・先輩として、この業界での仕事の仕方を、後輩の私に
教える義務がるではないか」と訴えた。(p145)
●本書では、著者がいかに自ら考えた戦略により、
DTPソフト「ページメーカー」を拡販していったのか、
そして、また、いかに「筆王」を「筆まめ」と対抗できるほどの
シェアを獲得するまでに育てたかということなど、
著者の実際の経験談が中心となっています。
●松下幸之助は、経営のコツは教えるに教えられないといいましたが、
坂本 桂一氏もビジネスの戦略は自分の頭で考えるものという
同じ結論に達しているのが印象的でした。
・金儲けでも、女にモテたいでも、社会貢献でもなんでもいいから、
とにかく目的をはっきりさせることが事業を成功させる第一条件
である。(p122)
●すごい人だなと思いながら、氏の経験から学んだ知恵を吸収しつつ、
破産した理由はどこにあるのだろうと考えながら読んでみるのも、
良いと思いました。★3つとします。
─────────────────
■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・本当に信頼できる少数の人と、濃い人間関係を築いていくのが
本当の人脈だと私は思う。飲み屋だってそうだ。・・・
馴染みの店が何軒かあれば、それで十分だ。(p55)
・私が学生時代、家庭教師をしていたときは、いきなり
猛勉強をさせるようなことはしなかった。まず、じっくり
時間をかけて成績アップにつながる勉強の仕方を教える。
また、学問そのものがいかに役立つ、面白いかという話を
エピソードを交えていっぱいする。(p82)
・松下幸之助が新しい事業を起こすときは、社内でその分野に
明るいと思われる人を三人呼んで、順番に説明させ、そのうち
自分といちばん考えが近い人を責任者に抜擢し、
すべてを任せたそうだ。(p167)
▼引用は、この本からです。
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【私の評価】★★★☆☆(72点)
■著者経歴・・・坂本 桂一(さかもと けいいち)
1957年京都市生まれ。東京大学中退。
大学時代に、サムシンググッド(現アイフォー)を設立し社長就任。
年賀状ソフト「筆王」、「AI将棋」、「AI囲碁」などを開発。
その後も、ソフトウイング、アルファシステム、アドビシステムズ、
ウエブマネー、ウエブストリームなどを設立し代表、会長を歴任。
2003年破産し、2007年イーフロンティアに吸収合併される。
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