「みんなが西向きゃ俺は東」松井 道夫
2007/04/10公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(75点)
要約と感想レビュー
日本郵船で勉強する
インターネット証券の先駆けである松井証券社長の松井 道夫さんの一冊です。営業マンや支店を廃止し、インターネットに特化するという決断がどこから出てきたのか?そこが知りたくて手にしました。
日本郵船時代に、かなり勉強したのは確かなようです。日本郵船は長い歴史を持つ会社ですが、オイルショックなどの危機を企業内改革で乗り切ってきただけに、人を育てる会社であったようです。
・「勉強すろよ。自分(ずぶん)のために。郵船は会社である前に、学校だと思え」グラスを傾けながら、社長(菊地庄次郎)はそういった。(p96)
規制に対する嫌悪
松井 道夫さんの語り口には、B型特有の「わが道をいく」といった人間性も感じましたが、それ以上に、役人や業界の規制に対する嫌悪感を感じとりました。日本郵船時代の先輩が、フィリピン人看護師を日本に送るビジネスを立ち上げようとしたが、何重にも規制があって、業界の人間、天下りしている役人、そしてそれらとつるんでいる政治家を守っていたというのです。
そして、仕事を「おもしろく」しょうとしているところが印象的でした。高杉晋作の辞世「おもしろき こともなき世を おもしろく」と高杉を看病した尼さんの下の句「すみなすものは 心なりけり」を紹介しています。思いが実現するということなのでしょう。
仕事を通じて「おもしろく」していく。そこに規制に挑戦していく松井社長の心を見ました。社長の視点を垣間見れる一冊ということで、★3つとしました。
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この本で私が共感した名言
・私は、日本のGDPは300兆円がいいところで、200兆円分は"ハリボテの経済"だと思っている。たとえば証券業界を見てほしい・・・手数料自由化とIT革命によって、インターネット取引では手数料が10分の1になっている。(p185)
・現実の中国人は、根っからの拝金主義者だ。・・・来世というより、現世が一番大事で、現世の快楽を来世まで持っていこうという、いわば享楽的なものを感じる。・・・「地獄の沙汰もカネ次第」という考え方。それを、中国人は日夜実践しているようなものだ。(p209)
▼引用は、この本からです。
【私の評価】★★★☆☆(75点)
目次
第1章 新しいことは、こうして考えろ!
第2章 こんな組織が21世紀に生き残る
第3章 人の上に立つ人間の度量
第4章 僭越ながら、日本にもの申す!
著者経歴
松井 道夫(まつい みちお)・・・1953年生まれ。大学卒業後、日本郵船に入社。義父の経営する松井証券に移り、95年社長に就任。外交セールス廃止。株式委託手数料の大幅引き下げ、インターネット株式取引を拡大させる。
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