「強者のしくみ 論理的思考と全体最適を徹底する会社」磯部 洋
2005/12/23公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★★(90点)
●古代ローマ時代の映画を見ていて、
その戦闘シーンに
釘付けになったことがあります。
敵と向き合い、遠距離では投石器などにより攻撃。
敵が近づいてくると弓矢により攻撃する。
相手の弓矢は盾で防御。
そして前線の歩兵は押し寄せる敵を盾で押し止め、
迂回した騎馬兵が背後から攻撃する。
●そこには、日本の戦国時代の戦さでは見られない、
整然と統一された戦略・戦術が見られました。
同じように著者はこの本で、商売という戦いにおける
戦略・戦術(仕組み)の重要性をセブンイレブンと
「しまむら」の業務の仕組みを例にしながら、
説明しています。
●まず、しまむらの商品センターでは、
トラックに積む荷物は、自動的に
店の順番に荷物が整理される仕組みになっています。
これで、荷物を並び替える必要がなくなります。
・初めから大企業になったときのことを想定して、
業務のしくみと情報システムをつくろう。」
そう考えた。(「しまむら」の藤原社長)(p29)
●さらに、その配送システムを利用して、簡単に商品の店間移動
ができるというのです。
(店舗で販売する業界以外の方には、
その凄さがピンとこないかも)
●仕組みの徹底については、
セブンイレブンの例を多用しています。
毎週週2日間、全国の社員を集めてのFC会議。
パートでも戦力とできる業務マニュアルとシステム。
FC(フィールドカウンセラー)による徹底した店舗指導。
・鈴木さんは二〇年くらい前に
「まあまあ」と「なあなあ」の排除という
企業方針を打ち出している。(p41)
●マニュアルが嫌いな人がいます。
しかし、本当は、だめなマニュアルしか見てこなかった、
そんなマニュアルしか作れなかっただけではないでしょうか。
・すぐに、「マニュアル人間はダメ」といったことを言う人がいる。
・・・これはマニュアルがあるからいけなのではなく、短に
マニュアルの中身が良くないだけのことだ。(p116)
●さらに、セブンイレブンでは、
おせっかいと思われるほど、
従業員さえも規則で縛っているようです。
まるで、鈴木教という宗教のようでもありますが、
その強制管理が、今のセブンイレブンの
強さの源泉なのかもしれません。
・セブン・イレブンの元役員の人が
「鈴木さんも伊藤さんも○○の腐ったみたいだ。
細かいことをネチネチといつまでも言うのでまいった」と
いう意味のことを言っていたが、
だから鈴木さんも伊藤さんも成功したのだ。(p70)
●そこまでやらなくてはならないのか!?
と思わせる内容ですが、
それでなければ、生き残れないのでしょう。
この本は、著者の仕事のPRという面も若干ありますが、
日本の会社にとって非常に大切なことを
書いてあるものだと思います。
日本のビジネスマンのために、
★5つとします。ぜひ、ご一読を!
■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・「しくみをつくってから店をつくる。」(p129)
・(しまむらでは)パートからのマニュアルの改善提案は毎月
1800件ほどあり、その結果、毎月平均して300~400
ページに及ぶ変更がなされている。(p160)
・セブン・イレブンの店舗システムにおいては言わばマニュアルが
システム化されていて(だからマニュアルはいらないのだが)、
今どうすれば良いかをその都度画面に表示することによって
人間をリードする。だから、全部を覚えておかなくても、誰でも
結果的にキチッとした仕事ができるということになっている。(p199)
・2006年から海外企業が株式交換で
日本企業を買えるようになる。
いよいよ本格的な開国だ。(p323)
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【私の評価】★★★★★(90点)
●著者経歴・・・磯部 洋
1945年生まれ。大学卒業後、日本NCRを経て、88年HIコーポ
レーション設立。NCR時代はイトーヨーカドーのPOSシステム他、
HI後は、セブンイレブン、ブリジストンなどの販売革新を指導。
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