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「上海のMBAで出会った中国の若きエリートたちの素顔」岡本 聡子

2005/12/15公開 更新
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【私の評価】★★★☆☆(78点)


要約と感想レビュー

●どんな国でもそうでしょうが、
 その国を理解するためには、
 その国に住んでみて、
 その国の人と話してみるということが
 大切だと思います。


 そういう意味で、中国のエリートと
 1年半の間、共に学び、
 暮らした著者の経験は貴重でしょう。


 まず、驚くのは、中国共産党の反日教育が
 徹底しているということです。
 (江沢民時代のなごりのようですが・・・)


・彼は、自分の言葉で主張を書いて、メーリングリストに流したのだ。「過去を忘れてはいけない、旧日本軍はこんなにひどいことをしたではないか、図書館にあるこの本を皆読むべきだ、走れ愛国者たちよ!」(p60)


●60年前の戦争を強調し、謝罪もしない、
 靖国参拝で軍国主義に向かっている日本という
 歪曲した情報を国民に浸透させています。


 多くの植民地支配を行った国々のなかで、
 日本だけを批判する不自然さに
 気付かせないのもさすがです。


・日本が成功したことは分かっている。しかし、「戦争ではひどかったじゃないか。はっきり謝罪もしないし、今だって靖国神社に参拝しているじゃないか」と言いたい気持ちが、びしびしと伝わってくる。(p75)


●中国共産党国家主席は、
 「日本は歴史を鑑として行動で示めせ。」と
 発言していましたが、私もまったく同感です。


 日本は、60年前の戦争を反省し、
 60年間一切国家間の紛争を
 おこしていません。


 それに対し、中国共産党が
 数多くの国家間の紛争、侵略、弾圧を
 行ってきたという事実は、
 何を示しているのでしょうか。


・反日デモ直後の上海で・・・私「日本政府は中国政府のメンツをまったく考えてないよね」ギルバート(上海人)「メンツねえ・・・(力なく笑う)」(p201)


●やはり、実際に中国で生活し、
 批判にさらされれば、著者のように、
 「まったくそのとおり、遺憾なことです。
 それでも、未来のために一緒にやっていきましょう・・・」
 という対応になってしまうでしょう。


 「過去60年の歴史を鑑として行動で示めせ」
 と対等の立場でモノが言えるように、
 もっと歴史を学んでいきたいと思わせてくれた
 一冊ということで、★3つとしました。


この本で私が共感した名言

・(Eメールで)ワトソン(遼寧省出身同級生)「君には素直に言うけど、僕たち同級生のほとんどは日本が嫌いだ。でも、君たちは好きだよ。^u^」(p59)


・「私はメキシコ人だけど、スペインに制服されたことをいまさら怨んでいないわ。中国人は国際化に乗り遅れている」と言って、「それは違う!中国人に失礼だ!」と中国人に攻撃される場合もあった。(p88)


・私も、そしておそらく多くの中国人同級生も考えていることだが、「中国と台湾は多分、ひとつにはならない。お互いプレッシャーをかけ合いながら、このバランスを保ち続けるのがそれぞれのビジネス発展には一番良いと、中国政府はわかっている」。(p117)


▼引用は下記の書籍からです。


【私の評価】★★★☆☆(78点)




著者経歴

 岡本 聡子・・・1976年生まれ。大学卒業後、外資戦略系コンサルティング会社に4年勤務後、上海の中欧国際工商学院(CEIBS)にMBA留学。


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