「カーネギー自伝」アンドリュー・カーネギー
2005/11/02公開 更新

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【私の評価】★★★★☆(88点)
●不正なことをしなければ
大金持ちにはなれないと考えている人も
多いと思います。
確かに「悪は栄える」ということもあるでしょう。
しかし、私は
「正」「悪」という視点でものごとを見るのではなく、
「正しい考え方」「正しくない考え方」という視点が
大切ではないかと思うのです。
●たとえば、投資と投機という言葉がありますが、
投機が「悪」なのではなく、
それはお金を育てるためには「正しくない」ということが
ポイントなのではないかということです。
・私は一生のうち一回を除いては、
投機的に株を売買したことはない(p163)
●ですから、人間の見方についても、
性善説、性悪説という見方ではなく、
人は信頼しながらも、ちゃんと仕事はチェックする
という考え方が正しいのだ、という物事の捉え方が
大切なのではないでしょうか。
・彼ら(労働者)は、彼ら独特の偏見をもっていて、
それは硬いしこりのようなものであるが、
私たちはそれを丁重に扱わなければ
ならないのである。なぜなら、
そのよって来るところは無知であって、
敵愾心ではないからである。(p247)
●100年も前に書かれた本とは思えません。
株式投資に対する視点はバフェットと同じものです。
・「一つの籠に手持ちの卵をみんな入れてはいけない」
という諺とは逆の方針をとることにしたのであった。
私は「よい卵をみんな一つの籠に入れて、
その籠から目を離さない」というのが正しい方針
だと、決意したからであった。(p183)
●さらに、スピーチの原則も
独学とは思えないほど的確です。
・公開の席で話をするについて
私は二つの掟を胸にきざんでおいた。
第一は、聴衆の前で固くならず、くつろいで、
お説教するのでなく、語りかけること。
第二には、だれか自分以外の人物になろうとせず、
自然に、また美辞麗句を使わないこと。(p75)
●カーネギーが鉄鋼王となったことが、
必然であったのだろうと思えるくらいの
知恵の凝縮された一冊です。★4つとしました。
■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・私は蒸気機関についてなんの知識ももっていなかった。
しかし、私はそれよりももっと複雑な機械
-人間-を知るように努めたのであった。(p34)
・清貧の家に育った子供は、
裕福な家庭の子たちとくらべて、
なにものにもかえることのできない
尊い宝を与えられている。(p42)
・ごく些細なことに、人間の運命をきめる
最も重要なことがかかっている
かもしれないのである。(p48)
・賢明な人たちはいつもかしこい少年たちを
探しているのである。(p55)
中央公論新社 (2002/02)
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【私の評価】★★★★☆(88点)
●著者経歴・・・アンドリュー・カーネギー
1835年生まれ。移民として家族とアメリカに渡る。電報局、鉄道会社で
働き、その後、鉄橋をつくる会社を創設。鉄鋼王と言われる。多額の寄付を
したことで有名。カーネギー・メロン大学、カーネギー・ホール、ニューヨーク
のカーネギー財団、アメリカとイギリスに1700もの図書館を作った。
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