「幻想曲 孫正義とソフトバンクの過去・今・未来」児玉 博
2005/10/17公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(78点)
●この本では孫 正義さん率いるソフトバンクの
光と影が書かれています。
書き方としては批判的ともいえるものでしょう。
しかし、私は孫正義さんを非常に評価しています。
まず、現状認識が正確であった。
・インターネットがここ掘れワンワンって
いってるんですよ(孫)(p292)
●そして大きな夢を持っていた。
・僕はいつか豆腐のような商売をしたいんですよ・・・
豆腐は一丁(兆)、二丁(兆)と数えるでしょ。
僕はいつかそういう単位でお金を動かせる
商売をしたいんです(孫)(p64)
●そしてその大きな夢を持ちながらソフトバンクを大きくする過程で、
日本にブロードバンドを普及させたという実績は
大きいものがあります。
司馬 遼太郎は「国盗り物語」で、斎藤道三に
次のような言葉を言わせています。
・人生には目的がある。
目的があってこその人生だと思っている。
生きる意味とは、その目的に向かって進むことだ。
そのために悪が必要なら悪をせよ。
善が必要ならそれを駆使するが良い。
●確かにソフトバンクに闇の部分はあるでしょう。
しかし、目的が正しければ
その目的に向かって進むことも
ひとつの人生でしょう。
・およそ500億円をマーケットから直接調達したことがあった。
その際、主幹事・野村證券内部で、
孫の個人資産管理会社MACが問題にされた・・・
買収先の赤字部門をも「MAC」に引き受けさせて、
ソフトバンク本体の経営実態を水ぶくれさせるような
働きをしていたからだ。(p208)
●光も影も含めたすべてのソフトバンクと孫正義の過去を通して、
夢の大切さ、そして日本の社会構造というものの
一端を知ることのできる一冊ということで
★3つとしました。
■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・一番じゃなければダメなんだ。
二番以下はすべて負けと同じだ。
だからその分野で急成長できるところに進出することが
大切なんですよ(孫)(p58)
・「あの赤字の球団をどうにかしてもらわないと、
運賃の話はそれからですね。」断定するならば、
近鉄(近畿日本鉄道)に対する国土交通省幹部の一言が
プロ野球再編を促したのである。(p10)
・「人、研、総、組が野村を潰すんや」
つまり、人事、研修センター、総務、組合出身者が
役員を占める人事に不満を隠そうとはしなかった北尾にとって
総務畑出身の酒巻の社長就任はあってはならないことだった(p175)
日経BP社 (2005/06/03)
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読んでください。
実にロック!
【私の評価】★★★☆☆(78点)
●著者経歴・・・児玉 博
1959年生まれ。ジャーナリスト。大学卒業後、フリーランス
ジャーナリストとして、『日経ビジネス』などで活動。
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