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【書評】「青春漂流」立花 隆

2005/07/26公開 更新
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「青春漂流」立花 隆


【私の評価】★★★★☆(84点)


要約と感想レビュー


若者の生き方

二十年前に、立花隆氏が、独自の道を歩む十一人の「若者」の生き方を取材した一冊です。その人選がなんといっても素晴らしい。


二十年前、当時これら十一人は、ほんとうにその世界で成功するのかわからない段階の人たちであり、ただ、その業界で一流をめざし打ち込んでいる変わり者の十一人にすぎません。


きみの仕事は沢山の人からすぐには認められないかもしれない。しかし、きみに注目し、きみを認め、きみに期待している人が、日本全国に一人か二人はいる。きみを認めない人のことは気にかけず、きみを認めるほんの一人か二人のためにと思って、もっと頑張りつづけなさい。(今江祥智)(p126)

一つの道に打ち込む

しかし、田崎真也はその後、世界一のソムリエとなり、斎須政雄は日本を代表するシェフとなっています。他の人たちも、現在の状況をGoogleで調べましたが、皆さん、自分の世界を確立されているようです。


これらの人たちに共通するのは、一つの道に打ち込んでいるということです。普通の人が見たら、狂っているとしか思えないかのように、そのことに全てを打ち込んでいるのです。


毎日毎日、一日十時間も木の上に登って観察を続けた(宮崎学)(p107)

多くの若者は浮かれている

著者は一般論として、いまの軽薄で大勢に順応する若者が好きではないと言っています。それはいつもの時代でも同じなのでしょう。多くの若者は浮かれているのですが、一部に突き抜ける人がいるのです。


歴史に証明された、立花隆の「人を見る目」を証明した一冊ということで、★4つとしました。


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この本で私が共感した名言


・それが青春であるかどうかなど考えるゆとりもなく、精一杯生きることに熱中しているうちに、青春は過ぎ去ってしまうものである。(p7)


・だいたい毎年九月から十一月までの三ヶ月間、土方か山仕事をやるんです。それが月に八万円になるから、三ヶ月で二十四万円。それで一年間食べていくわけだから、月にならしたら二万円ですね。月に二万円でもやっていこうと思えばやっていけるもんです。(松原英俊)(p160)


・ここではじめて、サービスのプロの仕事を見たんです。プロのサービスというのは、実に見事なものですよ。見ているだけでも素晴らしいと思わせるものがあるし、知識や技能の奥行きが深いんですね。(田崎真也)(p183)


・こちらは、いろんな新しい試みをしたいわけです。すると、何かするたびに、そんなことをするな、それはまちがいだと怒られる。こっちはこっちで若いから、冗談じゃないよ、そんな古くさいダサイやり方ができるかとタンカを切ってケンカする。上司と毎日衝突ばかりしていました。(吉野金次)(p260)


▼引用は下記の書籍からです。
「青春漂流」立花 隆


【私の評価】★★★★☆(84点)


目次


稲本裕(オーク・ヴィレッジ塗師32歳)
古川四郎(手づくりナイフ職人33歳)
村崎太郎(猿まわし調教師22歳)
森安常義(精肉職人33歳)
宮崎学(動物カメラマン34歳)
長沢義明(フレーム・ビルダー36歳)
松原英俊(鷹匠33歳)
田崎真也(ソムリエ25歳)
斎須政雄(コック34歳)
冨田潤(染織家34歳)
吉野金次(レコーディング・ミキサー36歳)


著者経歴


立花 隆(たちばな たかし)・・・本名:橘 隆志 1940年生まれ - 2021年没。日本のジャーナリスト、ノンフィクション作家、評論家。1974年(昭和49年)、『文藝春秋』に「田中角栄研究~その金脈と人脈」を発表して田中金脈問題を暴いて田中角栄首相退陣のきっかけを作る。


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