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「菜根譚―中国古典百言百話」吉田豊

2005/05/12公開 更新
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菜根譚―中国古典百言百話 (1) (PHP文庫)

【私の評価】★★★☆☆(79点)


●「菜根譚」とは400年前、中国の明の時代に
 洪自誠が書き記した随筆です。


 そこには、組織人として社会を生きていくうえで
 参考となる知恵があります。


 ・気の合った者同士で、その場にいない
  第三者の人物批評をするほど話の
  はずむことはない。ついつい、
  彼はどうだ、あいつはこうだと、
  ほめたり、けなしたりしてしまうが、
  それは必ず、腹黒い連中の耳に届くこと
  を覚悟しておいたほうがよい。(p113)


●著者の洪自誠の詳しいことはわからないそうですが、
 組織で働くものとして共感できることが
 たくさんありますので、
 洪自誠も組織人であったに違いありません。


 ・些細なことにも手抜きをしない。
  人目がなくともうしろ暗いことをしない。
  不遇になっても投げやりにならない
  これだけのことができれば、
  それでもう立派な人物だ。(p105)


●組織では、自分の信念を通せば嫌われる、

 しかし、自粛していては志は達成されないという
 ジレンマがあります。


 明の時代でも人間の考えることは
 変わっていないようです。


 ・自分の信念を曲げて人に気に入られるよりは、
  たとえ人から煙たがられようとも
  信念を貫きとおしたほうがましだ。(p104)


●日本には同じような本に「葉隠」があります。


 中国と日本の差をくらべてみるのも
 面白いかもしれません。


 ・恩恵を与えるには、最初はわずかにして、
  次第に手厚くするのがよい。
  初めは手厚くして、後にわずかにすれば、
  人は手厚くしてもらったことを
  忘れて不満に思う。(p132)


●はずせない中国古典ということで★3つとしました。


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


 ・暴れ馬も調教次第で立派に乗りこなせるようになる。
  鋳型からとび出す金もやがては型に納まる。
  手に負えぬような人物も、
  のちにはけっこうものの役にたつものだ。(p85)


 ・人を評価するには、その晩年を見よという名言がある(p93)


 ・家族や使用人に過ちがあったとき、
  荒々しくどなりつけてはならない。
  かといって放任して見のがしてもならない。(p96)


菜根譚
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【私の評価】★★★☆☆(79点)


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