「内側から見た富士通「成果主義」の崩壊」城繁幸
2004/10/11公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(74点)
●人事評価を成功させるためには、
説得力をもつことが大事だと思います。
かりに評価が下がったとしても、
納得できるものであれば、
人間受け入れるものです。
・昔も、査定では差はつけられていた。
明確な目標とか担当業務とかは無かったけれど、
それでも空気のような信頼感が
会社との間にはありました。
だから、いざ差をつけられても、
言われてみれば確かにできる人間とは
働きぶりが違うな、と
納得できることが多かった。(p64)
●ところが、富士通の「成果主義」の導入は、
その納得性を低下させるとともに
努力した人が損をするという
仕組みだったようです。
・管理職によっては部下に高いハードルを
与えようとする者もいたが、
その結果は、彼の部下だけがボーナスで
泣きを見るだけのことだった。(p81)
●努力をすると損をする、
そういう仕組みは社員を
どう変えるのでしょうか。
・上司との面談時に「明らかな失敗」さえなければ、
普通に目標達成と認めてもらえる。
当然、誰もが失敗failureの可能性の少ない、
あるいはすぐにでも達成できる目標を選ぶ(p81)
●同じ社長でも、赤字決算でも会長に居座った秋草前社長と、
目標見達なら会社を去ると公表して
目標達成した日産のゴーン社長を比べると、
本物の「成果主義」と偽の「成果主義」が
あるように見えます。
・ごく普通の日本型企業に富士通と同じような
上辺だけの「成果主義」を導入すれば、
どんなに優れたチームワークと輝かし
伝統を持つ企業であっても、富士通と
同じ惨状が起こりえるということを意味する(p224)
■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・年功的組織下で濫造された従業員数の
3割を占める管理職に、公平で有能な
評価者を期待しても、
理論通りには動かないのだ。(p221)
・実は彼ら労組の役職者は、
一般従業員としての基本給以外に、
管理職相当の月給になるように、
「特別手当」という名目の手当てが毎月の給与と
賞与に上乗せされているとも言われている。(p183)
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【私の評価】★★★☆☆(74点)
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