特集「知られざる抵抗勢力 自治労」日経ビジネス2004.8.30
2004/08/28公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(78点)
●日本の年金が破綻しているのは衆知の事実ですが、
年金の事務を行なっている
社会保険庁もひどいものです。
年金を事務費として流用していいことに、
職員の宿舎をどんどん建設、アルバイト増員、
香典に流用、社会保険六法の無意味意な大量購入、
公用車の廉価払い下げ、マッサージ器の購入・・・
公になったものだけでも、
たくさんありますね。
●保険料のうち、これまで給付以外に
使われた金額は5兆円以上だということです。
天下り先としてグリーンピアを2000億円で作って、
問題になると天下った職員を切らないという約束で
格安で民間に売ってしまうというのは
とても頭がいいとしかいいようがありません。
●そうした社会保険事務所の深層を取材していくと、
そこには社会保険事務所の労組である
自治労「国費評議会」が姿を現すのです。
・効率化や利便性に背を向けるかのような
年金行政の現場。事務所の現実をたどっていくと
労組の存在に行き着く。
隠然たる力を誇る労組、自治労だ(p34)
●絶対に破綻しない(そう思っている)国家公務員という立場と、
仕事の効率化、サービス向上を労働強化だとする
自治労の組み合わせが、
現在の社会保険事務所の状態を作っているようです。
・あるベテラン職員は、国費評の幹部がオンライン化
当初に語った言葉を記憶している。
「端末の存在が知られたら年金相談が便利なものと思われる。
窓口にたくさんの人が来れば労働強化になる」
●自治労は政治力を持っています。
2001年には横領から裏金が発覚していますが、
政治にお金を使っているようです。
・今夏、民主党のある1年生議員は
同じ党の先輩議員から、こんな注意を受けた。
「自治労は、我が民主党の有力支援団体であるわけだし、
その組合員がいる社会保険事務所の中身に
まつわるような国会質問はいかがなものか」(p44)
●このような状況では、
7月に社会保険庁長官に就任した前損保ジャパン
副社長村瀬清司さんも
たいへん苦労されるのではないかと思います。合掌
■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・「トヨタに学ぶ?それはいいことじゃないよね。
国を悪い方向に持っていく。
(利益の)配分が不公正でしょう。
企業がカネを持っていて、どうするの。」
自治労元書記長で参院議員の高嶋良充は
そう言ってはばからない(p38)
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【私の評価】★★★☆☆(78点)
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