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「フランクリン自伝」ベンジャミン・フランクリン

2002/08/16公開 更新
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「フランクリン自伝」ベンジャミン・フランクリン


【私の評価】★★★★☆(85点)


要約と感想レビュー

 ベンジャミン・フランクリンは,アメリカ合衆国独立宣言起草者です。凧で雷が電気であることを確かめる実験などで有名ですが,イギリス植民地において印刷屋の経営,消防組織の編成,図書館の仕組みづくり,税金による道路の舗装など,市民国家の仕組みを考え出しています。


 しかし,良く読んでみると,青年の頃から全知全能の人ではなかったのです。読書が好きで勤勉ではあるが,どちらかというと議論好きの鼻持ちならない青年だったのです。


 しかし,社会生活を過ごし本を読むうちに,自己の完成のため,13の徳(節制,沈黙,規律,決断,節約,勤勉,誠実,正義,中庸,清潔,平静,純潔,謙譲)を定め,これを習慣化することにしました。そのために手帳に表を作り,毎日13の徳を実行できたかチェックしていたのです。これにより,ひとりの青年は歴史に名を残す巨星となりました。


この本で私が共感した名言

・人にものを教えるには,教えているような風をしてはならない。その人の知らぬことでも,忘れたことのように言い出さねばならない。

・確かなことでも確信なげに話せ(ホープ)


・断片的な見解を表す語句は一切使わぬことにきめ,そのかわりに「私はこう思う」とか,「こうではないかと思う」とか「こうだろうと想像する」とか,「現在のところ,私にはこうだろうと思われる」というような言い方を用いることにした。


・間違いだと思われることを人が主張した時でも,頭から反駁したり,いきなりその主張の不当を指摘して快を貪るようなことはやめ,これに答えるにも,ます,最初に,時と場合によっては君の意見は正しいだろうが,現在の場合はどうも違うようだ,自分にはそう思えるが,などの述べるのであった


・人間の幸福というものは,時たま起こるすばらしい幸運よりも,日々起こって来る些細な便宜から生まれるものである


・為政者というものは,せねばならないことで手いっぱいなものだから,新規の計画を考えたり実行したりすることは,たいてい面倒臭がっていやがるものだ。だから,どんなにすぐれた公共の政策でも,遠いおもんぱかりから採用されることはまれで,事情やむをえぬようになって初めて採用されるのである


・人生を大切思うと言われるのか。それならば,時間をむだ使いなさらぬがよろしい。時間こそ,人生を形作る材料なのだから。
(Dost thou love life? Then do not squander time, for that's the stuff life is made of.)


・早寝早起き,健康のもと,財産を殖やし,知恵を増す


「フランクリン自伝」ベンジャミン・フランクリン


【私の評価】★★★★☆(85点)



目次

少年時代
フィラデルフィアのフランクリン
ロンドンのフランクリン
フィラデルフィアで独立
人間形成期
自伝執筆を勧める二通の手紙
十三の徳目の樹立
成功の道を歩む
社会活動
植民地防衛の軍事活動
植民地課税をめぐる対立抗争
植民地代表として再びイギリスへ


著者経歴

 ベンジャミン・フランクリン(Benjamin Franklin)・・・1706~1790。政治家、文筆家、発明家、科学者、印刷業者。ボストンのろうそく製造業者の家に生まれ、12歳で兄の営む印刷所に奉公に入る。その後、フィラデルフィアに移り、印刷の仕事に携りながら文章の錬磨に努める。買いとった新聞社から出版した暦が好評を博し、財をなす。やがて経営をパートナーにまかせ、科学・学術の分野での活動、政治活動に専念した。1776年の「独立宣言」の起草ではジェファソンを助けた


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