「電通と博報堂は何をしているのか」中川 淳一郎

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電通と博報堂は何をしているのか (星海社新書)

【私の評価】★★★★☆(82点)


■電通新入社員だった高橋まつりさんが
 自殺に追い込まれた事件の後に
 書かれた一冊です。


 著者は博報堂OBで、
 著者の印象としては、
 100時間の時間外は普通。


 自殺の原因は、書類送検された
 上司のパワハラだったのではないか
 としています。


・電通新入社員だった高橋まつりさんが
 自殺に追い込まれた件については、
 相当なパワハラがあったとも聞く。
 直属の上司は書類送検されたというから
 相当なものだろう(p11)


■メディアを支配していると言われる
 電通について、
 著者は「クライアントのポチ」である。
 広告代理店は「サービス業」だという。


 つまり、クライアントからの無理な要求に
 いかに誠意を持って対応できるかで
 広告代理店の価値が決まるのです。


 そのため、
 取引先やコネを使って
 影響力を行使することがある。


 そこに関わった人から見れば、
 広告代理店は不可能も可能とする権力を
 持っているように見えるのでしょう。


・自民党が電通に依頼をし、
 民進党が博報堂に依頼をするといった伝統が存在する・・
  ・キャンペーンスローガン策定
  ・CM制作・・ウェブ用動画制作・・ポスター制作・・
  ・ウェブサイト制作・・世論のウォッチ・・
  ・リーフレット作成・・SNSの運用代行・・
 時には敵陣営のネガティブキャンペーンにも
 近いようなことを仕掛けるべく、
 記者や編集者に働きかけることもある(p172)


■良い意味でも、悪い意味でも、
 電通は、日本の典型的な体育会系の会社
 なのだと思いました。


 儲からなくてもお客様のために
 安い仕事を全力でやったりする。


 そして実際に仕事もできるし、
 無理な要求をしてもついてきてくれる。


 クライアントから見れば
 使える企業なのでしょう。


 中川 さん
 良い本をありがとうございました。


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・クライアント企業はエサをちらつかせる。
 「このイベント(利益率は低い)競合プレゼンで
 勝ったらもしかしたら(利益率の高い)
 メディアの買い付け業務も
 発注しちゃうかもしれないよ・・」(p13)


・電通は、『営業が言ってるからしかたない』
 という不文律がある・・(p121)


・そもそも代理店というのは「サービス業」
 なのである。客からの要求には何があろうと
 応えなくてはいけない。「できません」
 と言った途端、別の代理店に業務を
 切り替えられることもままある(p35)


・博報堂はコストに見合わないことは断りますが、
 電通は営業会社なので、やります!となる・・
 『やります感』というのも電通の商売道具なので
 断らないのです(p75)


・電通・博報堂は
 「大人数で来れば客に忠誠心を見せられる」
 と考えている節があるようなのだ・・
 8人ぐらいでゾロゾロとやって来て
 椅子が足りなくなるという話もある(p39)


・何が100点なのか分からないのだ。
 答えがないだけに、スタッフが雁首を
 そろえて3時間も4時間も会議を
 続けるのである(p36)


・電通・・上下関係が厳しい世界なんです。
 それは意外と合理性があって、
 年長者が決定したらそれに従えばいい。
 年長者が決めてくれるから、
 下にはあまり責任がないというか、
 言われたことに従っておけば
 「おっ、あいつはかわいいな」と
 潤滑油になれるんですよ。
 組織としてのすごさはありますね(p184)


・プレゼンが月曜日の朝10時だとする。
 その場合に、チームが考えるのは、
 「タクシーの移動が30分。クライアント用
 資料のプリントアウトに40分かかる。
 企画書の修正には1時間ほど見ておこう。
 よって、この会議を終わらせるのは7時50分だ」
 みたいなことになる。要するに
 「最後まで考え抜いた」ことが重要であり、
 そうしたスタンスで仕事をやれば勝てるのだ、
 と考えている節がある(p196)


・電通の社内には「デジタル器用貧乏」といった
 言葉もあるそうだ。デジタル系の仕事は
 単価が安い割には、一定の稼ぎにかける
 工数があまりにも多い(p113)


・広告代理店がサービス業であることは
 これまでに何度も述べてきたが、
 その中でもハイライトとなるのが
 葬式の仕切りである。
 クライアント企業の会長やその他功労者の
 葬式を仕切ることはその後の付き合いを
 考えるとかなり重要なもの(p178)


・退社組の呼び方で言えば、電通は検事を辞めた
 「ヤメ検」にかけてか「ヤメ電」と呼び、
 博報堂は北朝鮮からの「脱北者」にかけて
 「脱博者」と呼ぶ(p155)


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■目次

第1章 超長時間労働を生み出す業界構造
第2章 「パクリ疑惑と過労問題」広告業界に落ちた二つの爆弾
第3章 「忠義」の電通、「ビジネス」の博報堂
第4章 広告都市伝説の真偽



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