「「原因と結果」の経済学」中室牧子 津川友介

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「原因と結果」の経済学―――データから真実を見抜く思考法

【私の評価】★★★★★(90点)


■人は正しいと思うことを実行しますが、
 "それは本当に正しいのですか?"
 と再考を促す一冊です。


 例えば、医療費を下げるために
 医療費の自己負担割合を上げると、
 健康に影響があるのでしょうか?


 実際には、医療費の自己負担割合と
 健康状態はまったく関係がない
 ということがわかっています。


・ランド医療保険実験が明らかにしたことは・・
 医療費の自己負担割合と人々の健康状態の
 あいだには因果関係がないことを
 明らかにした(p72)


■興味深かったのは、
 禁煙による体への影響です。


 ちょうど日本でも、
 たばこの受動喫煙を防止する法整備を
 検討しているからです。


 アルゼンチンでは、
 公共の場を完全禁煙にした結果、
 心筋梗塞が減ることがわかっています。


・アルゼンチン北部に位置するサンタフェ州は、
 2006年8月から公共の場所では完全に禁煙とする
 厳しい規制を導入した・・心筋梗塞による
 入院患者がブエノスアイレス市よりも
 13%も低くなった(図表3-3)(p90)


■本当に地球は温暖化ガスによって
 温暖化しているのだろうか?


 本当に健康診断は
 役立っているのだろうか?


 と考えさせてくれる一冊でした。


 安易な判断は大きな間違いを
 生む可能性があるのです。


 中室さん、津川さん、
 良い本をありがとうございました。


───────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・自己負担割合が低下し、
 受診や入院の頻度が高くなっても、
 死亡率は変わらない(p141)


・女性医師が担当した患者のほうが
 0.4%も30日死亡率が低い(p82)


・デンマークでは、日本のメタボ健診と同様、
 糖尿病や高血圧などの生活習慣病の診断
 および保険指導が行われている・・
 10年後に示された結果は・・
 介入群と対象群の死亡率の差は統計的に
 優位ではなかった(p62)


・ノルウェーでは、女性取締役比率が
 2008年までに40%に満たない企業を解散させる
 という衝撃的な法律が議会を通過した・・
 女性取締役を10%増加させた場合、
 企業価値は12.4%低下することが
 明らかになった(p127)


・地球温暖化が進むと、海賊の数が減る・・
 実際、地球温暖化が進むのに合わせて、
 海賊の数が減っている・・
 「まったくの偶然」だからである(p28)


「原因と結果」の経済学―――データから真実を見抜く思考法
中室牧子 津川友介
ダイヤモンド社
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【私の評価】★★★★★(90点)


■目次

第1章 根拠のない通説にだまされないために
第2章 メタボ健診を受けていれば長生きできるのか
第3章 男性医師は女性医師より優れているのか
第4章 認可保育所を増やせば母親は就業するのか
第5章 テレビを見せると子どもの学力は下がるのか
第6章 勉強ができる友人と付き合うと学力は上がるのか
第7章 偏差値の高い大学に行けば収入は上がるのか
第8章 ありもののデータを分析しやすい「回帰分析」


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