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「井村雅代 不屈の魂: 波乱のシンクロ人生」川名 紀美

2017/01/25公開 更新
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井村雅代 不屈の魂: 波乱のシンクロ人生

【私の評価】★★★★☆(83点)


■日本のシンクロナイズドスイミングは
 1984年ロスから2004年アテネ五輪まで
 メダルを獲得。


 ところが、
 2008年北京と2012年ロンドンでは
 メダルを獲れず、
 2016年リオでデュエット、チームで
 銅メダルを奪回しました。


 実は、北京とロンドン大会では
 川名 紀美さんは中国チームを指導して
 メダルを獲得しているのです。


 つまり、川名さんが指導したチームが
 メダルを取っているということ。


・2004年8月・・井村は正式に
 引退の意向を告げたのだが、・・
 「あなたの家内工業ではなから」
 と言われて驚いた・・
 一緒に指導に当たるコーチたちからは
 「とてもついていけない
 と連盟に訴えが届いた(p40)


■日本チームが川名さんを手放したのは、
 一日12時間とも言われる
 厳しい練習に不満が噴出したこと。


 ほとんど手当もないのに、
 朝から晩まで厳しい練習に
 付き合うのはコーチも大変でしょう。


 川名さんのように
 がむしゃらにやらなくても
 メダルは取れる・・と思っていたら
 そんなに甘い世界では
 なかったのですね。


・あの子たちは死にもの狂い、とか、
 がむしゃらにやる
、とかいう体験を
 初めてしたんとちがうかな。
 そして勝ったときの達成感や
 日の丸を背負う醍醐味も味わった。
 ちょっとは世界で戦う
 選手らしくなりました(p37)


■井村さんは中国チームを指導することで
 売国奴と言われたそうですが、
 井村さんは日本を指導したかった。


 ただ、日本側がコーチ陣の不満もあり
 井村さんに日本代表の指導を
 オファーしなかっただけなのです。


 ただ、領土問題などで漁船体当たり、
 中国の日本企業焼き討ちなどがあり
 タイミングが悪かったですね。


 川名さん、
 良い本をありがとうございました。


───────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・一つのものをよくしようとして
 何かを変えると、初めは下手になる。
 練習を重ねてそれを乗り越え、
 上達していくんです。・・
 悪いところを全部直そうとすると、
 全部が途中半端になってしまう(p23)


・スポーツっていうのは、勝たせてやって
 なんぼやと思うんです。
 格好悪いコーチはお前が悪い、と
 選手のせいにして勝たせてやらない人。
 ほんとうに上手にしてやり、
 目標を達成させてやると、
 選手は必ず変わります(p58)


・(中国では)本音で生きる大阪人と、
 どこか相通じるものがあった。
 隙あらば手を抜こうとする要領の良さもご愛敬だ。
 「先生、もっといい振りを考えた」
 と提案してくるのは、
 たいてい楽をするための変更だ(p68)


・独立してからはプールをみつけることが
 一層困難になった。「井村にプールを貸すな」
 二人の高校生を引き受けたことが
 選手の引き抜きと受け止められて、
 古巣の浜水から大阪府内のプール事業者に
 そんなお達しが回ったらしかった(p125)


・井村は怒鳴るだけでなく選手に
 伝えたい言葉をその都度、
 ホワイトボードに書きつけてきた
 「練習はうそをつかない」
 「自分の可能性を信じよ」
 「毎日、一ミリの努力をしよう」(p240)


井村雅代 不屈の魂: 波乱のシンクロ人生
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川名 紀美
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【私の評価】★★★★☆(83点)



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■目次

第1章 日本復活
第2章 中国へ
第3章 運命のシンクロ
第4章 居場所はどこに
第5章 ロンドン、心ひとつ
第6章 織り成す人生
第7章 リオ~東京

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