【私の評価】★★★★★(90点)
■日経BP記者、投資ファンド運営会社を経て、
お金についてコンサルティングしている
加谷さんの一冊。
お金持ちは、歴史を学ぶことで
人間の性(サガ)を学んでいるらしい。
人間の性が変わらないとすれば、
経済も同じような動きをすると考えられるのです。
・世界恐慌(1929年)をリーマンショック(2008年)に、
関東大震災(1923年)を東日本大震災(2011年)に、
国債の直接引き受けを異次元の量的緩和策に置き換えれば、
まさに今の日本そのものです(p34)
■この本では、過去の株価、物価や
マネーストックの推移を見ながら、
その特性を分析していきます。
面白いところでは、
国債バブルが崩壊したら
どうなるかというところでしょう。
国債に投資されていたお金は
どこに行くのか。
それは株式なのか、
それとも不動産なのか。
お金の動きが変わることで、
次のバブルが始まるということです。
・バブルが崩壊する水準というのは、
ほぼ一致しているのです。
総融資残高がGDPの1.5倍から1.6倍に
なってくると危ないわけです(p119)
■お金が国際的に動く時代に
私たちは生きています。
戦争、インフレ、大災害、
経済統制・・・。
どのような事態にも
「そんなはずではなかった」
とは言わないようにしたいものです。
加谷さん、
良い本をありがとうございました。
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■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・アベノミクスの結末を歴史から予測する・・・
量的緩和策によって景気は何とか持ち直すものの、
インフレによって生活が苦しくなることが
予想されます(p36)
・経済成長を決定する基本要素は・・・
ひとつは労働、もうひとつは資本、
最後がイノベーション(技術革新)です・・
人口が増加する米国は、黙っていても
一定の経済成長を見込むことができます(p59)
・ある程度の基礎体力があり、グローバルに展開している、
あるいは需要が減らない商品を扱っている企業の株を買えば、
スタグフレーションから資産を防衛することは可能(p71)
・堤氏は、戦後、臣籍降下に伴い経済的に困窮していた
旧皇族をターゲットに、長期分割払いでの土地売却を
持ちかけたのです。インフレで土地の値段は跳ね上がる
ものの、支払いは分割払いなので、全額を支払い終わる
頃には、実質的な返済額はゼロ円(p78)
・政府による管理が絶対条件でなことを考えると、
ビットコインが通過として普及しても何ら不思議はない・・
ビットコインが金本位制に近い存在なのだとすると、
ビットコインは今後、金と同じような値動きをする
可能性があります(p178)
・不動産関連に投資をする場合には、
デベロッパーの株を買うという方法と、
REIT(不動産投資信託)を活用して、
ダイレクトに物件に対して資金を投じるという
二つの方法があります(p241)
朝日新聞出版 (2015-01-20)
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【私の評価】★★★★★(90点)
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■目次
第1章 100年単位で株価はこう動く
第2章 インフレ時代を前に知っておくべきこと
第3章 戦争と株価の不都合な真実
第4章 バブルは利用するもの
第5章 イノベーションで儲ける鉄則
第6章 金と石油、そして通貨をめぐる攻防
第7章 長期投資は安全に儲かるのか
第8章 未来を見据えた投資戦略