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「吉田松陰 一日一言」川口 雅昭

2012/01/09公開 更新
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吉田松陰一日一言


【私の評価】★★★☆☆(79点)


要約と感想レビュー

 松下村塾で多くの人材を育てた吉田松陰のコトバを集めた一冊。この本も量が多く、読みきるのがたいへんでした。一年間かけて一日一言読むなら問題ないんでしょうけれど、一日一冊の本のソムリエには厳しいものがあります。


・凡そ読書の功は昼夜を舎てず、寸陰を惜しみて是れを励むに非ざれば、其の功を見ることなし。「講孟箚記」
だいたい、読書の効果というものは、昼となく夜となく、ちょっとした時間でも惜しんで励むのでなければ、その効果を上げることはできない(p13)


 全体的に整理されていないのが残念ですが、松蔭先生は非常にマジメですね。中国の古典から、役立つ考え方を抽出して、体系化しているのがわかります。精神力や人材育成、危機管理といった視点でいえば、現代でも通用するものが多い印象でした。


・宜しく平日に議論して、時に臨みて誤ることなかれ。「講孟箚記」
 何もない平穏無事な時に議論しておくべきである。いざという時に臨んで、判断をまちがえることのないように(p65)


 まじめに勉強し、世の中のために行動せよ!それが松蔭の遺言でしょう。行動でしか世の中は変わらない。行動でしか自分の運命も変わらないのは、今も昔も同じなのです。松蔭さん、よい言葉をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・人を諫むるもの安んぞ自ら戒めるべけんや。
 人を諫める人は、どうして常に自分を戒めなくていいだろうか。戒めるべきである。(p137)


・花柳詩酒に陥る如きは、真に道に志す者の必ず暇あらざる所なり。「講孟箚記」
 本当に人としての道に志した者にとっては、飲屋街で遊んだり、詩や酒に狂うというような暇は絶対にない。(p8)


・鞠躬力を尽くし、死して後已むのみ。「福原清介に復す」
 志を立てて始めたことは、全身全霊を尽くして行い、やめるのは死んだ後だけである(p15)


・能(あた)はざるに非ざるなり、為さざるなり。「講孟箚記」できないのではない、やらないのである。(p21)


・人賢愚ありと雖も 各々十二の才能なきはなし 湊合して大成する時は必ず全備する所あらん「福堂策」
 人には賢い人、愚かな人がいるとはいえ、それぞれ一つや二つの才能がない人はいない。それらを総合してまとめれば必ず完璧に近い人物となるであろう(p44)


・汝は汝たり、我れは我れたり。人こそ如何とも謂え。「講孟箚記」
 お前はお前である。俺は俺である。人は(俺の生き方を)何とでもいえ。(p73)


・伐柯遠からず。
 手本とすることは眼前にある。決して遠方まで探す必要はない。(p124)


吉田松陰一日一言
川口 雅昭
致知出版社
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【私の評価】★★★☆☆(79点)



著者経歴

 川口雅昭(かわぐち まさあき)・・・昭和28年山口県生まれ。同53年広島大学大学院教育学研究科博士課程前期修了。山口県立高校教諭、山口県史編さん室専門研究員などを経て、平成10年岡崎学園国際短期大学教授。同12年より人間環境大学教授。吉田松陰研究は30年に及ぶ


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