「続・失敗百選」中尾 政之

| このエントリーをはてなブックマークに追加

続・失敗百選 - リコールと事故を防ぐ60のポイント

【私の評価】★★★★★(94点)


■「失敗百選」の第2弾です。


 前作と同じように、
 「へー、あの事故の真相はこうだったんだ」


 「あのニュースの実態はこうだったのか」


 と、事件の真相番組を見ているような
 気分になりました。


 60に分類された190の事例が
 図表付きでわかりやすく
 秀逸です。


・ボンバルディア社は、このボルト・ナットを
 入れ忘れてしまったのである。(p92)


■この本を読んでわかることは、
 同じ原因で事故はくり返すということです。


 そして、経営者、管理者は、
 責任者としてこうした歴史・データ・事例を
 頭に入れて、事故の危険性を
 事前に減らすことが求められている
 ということ。


 そういった意味でこの本は 
 最高のテキストになるはずです。


・事故の当事者のエンジニアは、事故後のインタビューでは、
 まず「この事故は想定外でした」と答える・・・
 このデータからもわかることだが、未知はほとんどない。
 すなわち、工学分野の失敗は既知だらけであり、
 似たような失敗はくり返すのである(p17)


■電車の中で、
 この本をあまりに集中して読んでいたために、
 降りる駅を一つ降り過ごしてしまいました。


 技術者向けの本ですので、
 設備を管理している方には
 必携です。


 中尾さん、良い本をありがとうございました。


━━━━━━━━━━━━━━━━━


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・現在、パソコンにコーヒーをこぼしてダウンすれば
 製品不良であり、誤使用とみなされないが・・石油ファンヒータの・・
 灯油の代わりにガソリンを入れて揮発性ガスに引火して
 火事になることは誤使用
とみなされる(p166)


・ホテルや飲み屋に入ったら非常口確認は鉄則であるが、
 多くの人は、「まさか火事は起きないでしょう」と信じて
 確認をサボる。しかし、現在の火事の半分は放火である
 まさかが本当になる(p210)


・他人に絶対に起動されないようにするには、
 運転スイッチに蓋をして自分の鍵をかけるべきである・・
 トヨタの工場では、作業員が自分の身を自分で守るために、
 装置を止めて入るたびに、起動スイッチに蓋をかけて鍵を
 締めている。(p232)


・よく調べると初心者よりもベテランが
 事故原因になっている
(p239)


・安全装置取り付け前で、内装職人が大挙して
 作業する時期がもっとも危ない。安全規則の設定理由を 
 皆に理解させるような仕組みを作っておかないと、
 この配線穴のように規則自体が死文化する(p239)


・日本人は潜水で毎年、20人は亡くなっているから、
 結構な危険作業である。それなのに、J氏を安全要員として
 雇わず、バディシステム(2人1組で行動する)を取らず、
 保険には入らず、資格は取らず(これは明らかな労働安全
 衛生法違反)、ジャケットは更新せず(これが技術的原因、
 高分子材料の経年劣化)、責任者に連絡せず(p248)


・筆者もときどき、福祉施設を見学するが、いまだに
 多くの施設ではリフトを使わずに、"ヨッコラショ"が
 主流である。・・・製造業では20kg以上のものを
 持ち上げると、腰痛になると怒られる
(p280)


・安全神話の出現・・・タイタニックの沈没までの
 過去40年間で、欧米間の北大西洋航路における
 事故死者数は、たったの4名だった(p341)


・当時のイギリスでは、1万トン以上の船に対して・・・
 962人の緊急時収容能力が義務だった・・・タイタニックは
 合わせて1178人分の救命ボートの席があったから、とりあえず
 合法であった。しかし、乗客の最大収容数2435人
 と、乗組員総数892人とを合わせた3127人と比べると、
 1178人は38%に過ぎない。合法でも安全とは限らない(p343)


続・失敗百選 - リコールと事故を防ぐ60のポイント
中尾 政之
森北出版
売り上げランキング: 109720

【私の評価】★★★★★(94点)


楽天ポイントを集めている方はこちら



読んでいただきありがとうございました!

この記事が参考になった方は、クリックをお願いいたします。
↓ ↓ ↓ 
人気ブログランキングに投票する
人気ブログランキングへblogrankings.png


メルマガ「1分間書評!『一日一冊:人生の智恵』」
50,000名が読んでいる定番書評メルマガです。購読して読書好きになった人が続出中。
もちろん登録は無料!!
        配信には『まぐまぐ』を使用しております。



お気に入りに追加
本のソムリエ公式サイト



この続きは無料メールマガジン 「1分間書評!『一日一冊:人生の智恵』:1ヶ月30冊を超える情報をe-Mailで」でお読みいただけます。

無料メルマガ購読

スポンサードリンク

>月別(2002年7月~)