「その科学が成功を決める」リチャード・ワイズマン
2010/04/04公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(73点)
要約と感想レビュー
「成功法則」や「心理学の定説」をデータ分析により客観的に検証していこうという一冊です。著者は大学教授ですから、これも一つの学問なのでしょう。
研究によると、人は人生を振り返って、自分がしなかったことを悔やむことが多いという。だから著者のお勧めは、お金を体験するために使うことです。つまり、お金を使うのなら、物より体験に投資したほうが、よりしあわせになるということです。
この本で検証している内容は、自己啓発から心理テストまでさまざまですが、私が興味を持ったところは、目標達成のところです。目標を書く、記録をつける、ごほうびを出す、小さなステップに分割するなどすでに標準的な手法は確立されているようです。
特に、達成したときのイメージを考えることだけでなく、途中で予想される困難や課題についても考え、対策を考えておくと良いようです。
・「ほんの数分」手をつけてみるよう説得されてやりはじめた場合は、最後までやり通すことが多い(p92)
学者の世界でも、成功法則や心理学のコツはすでに認知されていて、検証されているんだなと、感じました。こうした結果をもとに、学校で成功哲学、心理学を教えて欲しいものです。
ワイズマンさん、よい本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・その国の平均的な幸福度を割り出したのだ。その結果、非常に貧しい国の人たちほどしあわせではないが、国家が適度なGNPを獲得した段階でその差はなくなる(p16)
・募金額を増やすためのうたい文句・・・「一セントでも、どうぞよろしく」(p67)
・キャンディーをサービスすると、チップが増える(p70)
【私の評価】★★★☆☆(73点)
目次
実験1 「自己啓発」はあなたを不幸にする!―「自己啓発」を実践している人は、何もしない人より幸福度が低いという衝撃のデータ
実験2 「面接マニュアル」は役立たずだった!―「ヘマをしたほうが好感度がアップする」という米デューク大学の大規模調査
実験3 イメージトレーニングは逆効果―ペンシルヴェニア大学研究室発「プラス思考が人生を暗くする!」
実験4 まちがいだらけの創造力向上ノウハウ―オランダでの研究成果「暗示をかけるだけで人は創造的になれる」
実験5 婚活サイトに騙されるな―ノースウエスタン大学発「大勢にモテようとする女は敬遠される」
実験6 ストレス解消法のウソ―アイオワ州立大の研究では「カラオケは逆効果」
実験7 離婚の危機に瀕しているあなたに―「夫婦間の話し合いは効果なし」ワシントン大学調査が下した冷徹な事実
実験8 決断力の罠―「集団で行う意思決定はリスクが高い」というMITの実験結果
実験9 「ほめる教育」の落とし穴―コロンビア大学発「ほめられて育った子どもは失敗を極度に恐れるようになる」
実験10 心理テストの虚と実―アテにならないこれだけの科学的根拠
著者経歴
リチャード・ワイズマン(Richard Wiseman)・・・1966年生まれ。英国ハートフォードシャー大学教授(心理学)。プロマジシャンとして活動後、ロンドン大学を卒業し、エディンバラ大学にて博士号取得(心理学)。膨大な被験者のデータを分析する科学的アプローチを得意とし、みずからホームページ上で被験者を募って数々の大規模調査プロジェクトを進めている。いわゆる超常体験、超自然現象を疑問視する研究によっても国際的に有名。02年、社会科学分野における一般読者向けのすぐれた業績を顕彰するジョセフ・リスター賞(英国科学協会)を受賞
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お気に入りに追加|本のソムリエ公式サイト|一日一冊:今日の名言
・自己啓発は、あなたを不幸にする
・イメージトレーニングは、逆効果
・「夫婦間の話し合いは効果なし」など
なるほどと思えることが実験結果として
説明され説得力がありました。