日本実業出版社 (2005/07/14)
売り上げランキング: 3,813

心を鬼にして厳しい社長を演じている孤独な人
言えないことをズバリ!
納得&痛快(私の評価:★★★☆☆:社会人として読むべき一冊です)
●著者紹介・・・松井 道夫
1953年生まれ。大学卒業後、日本郵船に入社。義父の経営する松井
証券に移り、95年社長に就任。外交セールス廃止。株式委託手数料の
大幅引き下げ、インターネット株式取引を拡大させる。
●日本の会社のおかしいところをバッサリ切ってしまうところが面白い
一冊です。そうした思い切りが松井証券をインターネット証券として
躍進させた原動力なのでしょう。
・役員定年になって初めて、役員退職金というそれまでの長年の働きの
果実を得られる仕組みだから、できるだけ長くいたいといつまでも
しがみつく。顧問、名誉顧問、最高顧問、相談役、名誉相談役、
まるで葬式で箔をつけるための戒名のごとくである。(p192)
●松井証券では39歳になると昇進が止まります。つまり40歳以上は、
プロの経営者となるか、プロの専門職とならなければならないのです。
こういう仕組みだと、従業員は勉強しますよね。
・役職定年である39歳に達したら、その後はどうすればいいのか。役員
になればよい。経営者の一員になればよいのである。あるいは専門職
となってある分野のプロに徹底的になればよいのである。(p164)
●なぜ、そのような仕組みを考えるかといえば、著者は従業員にプロに
なってほしい。そして、どこでも通用する人間になってほしいという
願いがあるように感じました。
・異論はあろうが、自由であるとは一つには経済的に自立していることだと
思う。だから、会社にしがみつかなければやっていけないような状態から
開放され、自分のために仕事をし、自分が納得できなければいつでも辞め
てやるというのでなければ、自由に行動できない。(p10)
●毒舌ではありながら、仕事への厳しさが伝わってきます。
・センスの良いバンカーは、「部下をひとり新規採用するぐらいなら、俺の
給料を倍にしてくれ。俺ひとりで十分だ」と上司に言う。・・・「この
仕事は私ひとりで十分処理可能です。上司をクビにしてください」という
下克上は、ロンドン・ニューヨークなど国際金融市場の金融機関では
日常的な出来事と聞き及ぶ。(p30)
●日本のやり方とは違ったアプローチの人事政策を行う松井証券ですが、
これが良いのか、悪いのか。それは今後の業績が示してくれるでしょう。
厳しさを忘れたサラリーマンに活を入れる一冊ということで★3つとしました。
■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・社員の意識が、会社の外にではなく内に向かい始める-。大企業病とは、
つまりそういうことだと私は思う。・・・典型事例は、いままさに崩壊
しようとしている、明治時代からずっと続く官僚の世界である。(p5)
・あらゆる仕事はプロジェクトとして設定可能なのである。プロジェクト
として設定できないものは大抵、いわゆる定型業務というものであり、
定型業務はさっさとアウトソースか機械化してしまえばよいのだ。(p75)
・部長の発言に対して、現場の担当者が「部長。違いますよ、もっと勉強
してください」などと、平気で言っていた。こうした当時の日本郵船での
経験が、松井証券という器に風通しのよい社風をつくるうえでも、参考
になった。(p112)
・能力が未知数の25歳と、経験の豊かな45歳のどちらを選ぶかという
決断を迫られたら、私は25歳の人を選ぶ。なぜか。それは、若い人の
ほうが、しがらみから自由だからだ。(p142)
「好き嫌いで人事」松井 道夫、日本実業出版社(2005/07)¥1,575
(私の評価:★★★☆☆:社会人として読むべき一冊です)
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