講談社 (2004/07/21)
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国を理解するためのヒント
無責任体制下の年金制度
恐怖をあおっているだけなのはどっちか?●一時期、年金制度がテレビや新聞で取り上げられたことがありますが、
結局、社会保険庁のひどい実態が注目されるだけで、本質的な対応は
保険料率の引き上げ、国庫負担の拡大など小手先の内容に終わりまし
た。
●本来ならば、年金というものは民間でもありますから、普通に運用
するだけでも、税金を投入したりする必要はなく、逆に利益さえ出る
経済活動のはずなのです。それがなぜこうなってしまうのでしょうか。
・何よりも年金制度の最大の問題点は、政府自らの見直しとして、給付
財源のあてのない「未積立金」が四八○兆円(厚生年金四三○兆円+
国民年金五○兆円)もの規模に膨らんでいることにある。(p19)
●今の状況は、国の年金が、年金といいながらも、実際は「ねずみ講」の
ように、若い人からお金を集め、年齢の高い人に配分しているだけと
いうことがばれてしまったのだと思います。
・いまの年金制度は、まるで潰れそうな会社そのものである。つまり、
潰れそうになった会社が利益を上げるために「製品価格(保険料)
を上げる一方で従業員に支払う給与(給付額)を下げれば、利益が
上がるだろう」と安易に考える。ところが、そうするとますますその
企業の製品が売れなくなり、顧客は逃げてゆくのだ。(p25)
●松下幸之助は、本来、国の経営がしっかりしていれば、毎年お金を残す
ことにより基金ができ、その基金の利息だけで国家を運用できる無税
国家さえ可能であると考えていました。
・年金官僚たちは「再び問題が表面化する頃、自分たちはリタイアして
いるから責任を問われることなどはないだろう」とタカをくくってい
るとしか思えない。(p47)
●本来、商人として政治とは一線を画してきた松下幸之助が、晩年「この
ままでは日本はダメになってしまう」という思いで、松下政経塾を設立
したのもこの現状を素直に直視したからではないのでしょうか。
■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・政府・日銀は、永遠に自ら国債を買い支えなければならなくなって
いるのだ。(p62)
「粉飾国家」金子勝、講談社(2004/07)¥735
(評価:★★☆☆☆)
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