【書評】「ローカルプレイヤーの教室 地域の中であなたの「したい」を「できる」に変える」 森川公介
2026/10/06公開 更新
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【私の評価】★★★★☆(84点)
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要約と感想レビュー
事務所にコミュニティスペースを併設
著者はケアマネジャー事務所を設立し、そこにコミュニティスペースを併設しました。コミュニティスペースでは、子ども向けワークショップや映画会、ミニ音楽ステージなど、さまざまなイベントを開催したといいます。
さらに週末には、地域の生産者の商品を地域の人に買ってもらう「こぢんまり商店」というお店も立ち上げました。野菜を作った人に、買った人が「こないだのお野菜、とても美味しかったですよ!」と直接感想を伝えられる。そんな顔の見える場所を目指したのです。
著者はこうした経験をもとに、対面講座「ローカルプレイヤーの教室」を立ち上げました。
もし近所のAさんが丹精込めてつくったお野菜を直接いただいたらどうでしょう・・・今度会ったときには「こないだのお野菜,とても美味しかったですよ!」と感想を伝えますよね。そして喜んだAさんの顔を見る。こんな素敵なことはありますか?(p21)
自分のやりたいことを発見する
ローカルプレイヤーとは、地域のつながりの中で自己実現していく人です。
自己実現の種を見つけるには、これまでの人生で楽しかったこと、充実していたこと、印象に残っていること、「自分で自分を褒めてあげたい」と思ったことを振り返るところから始めます。そこから、自分なりのストーリーが生まれてくるのです。
著者がお勧めするワークの一つが、「宝くじで3億円当たったらどうするか?」と考えることです。例えば、3億円当たったら沖縄に移住し、趣味のサーフィンをしながらマリンスポーツに関わる活動をしたいと思ったとします。
では、お金がなければ何もできないのでしょうか。そうではなく、今のお金や環境でもできる小さなことから始めていけばよいのです。
あなたのストーリーや実現したい夢などが地域の人々に伝わらないと,顔の見えない謎の場所となってしまいます(p63)
社会のニーズを探る
ただし、自分のストーリーや「やりたいこと」が、必ずしも地域のニーズと一致しているとは限りません。地域のニーズは、人との対話の中から見えてきます。
例えば、「最近運動不足だから、気軽にできるスポーツがあればやりたい」という声があったとします。しかし、本当に求めているものは、スポーツそのものではなく、「気軽にスポーツを楽しめる仲間がほしい」ということかもしれません。つまり、表面的なニーズの奥には、潜在的なニーズがあるのです。
また、「良いですね」と関心を示してくれた人が50人いたとしても、実際にお金を払って利用してくれるのは1人かもしれません。「良い」と「ほしい」は違うという指摘には納得です。
さらに、自分のやりたいことに近い全国の事例を調べることも重要です。例えば、「わんだーラボラトリー」では、子どもたちに実験教室というサービスを提供しています。
表向きは「楽しい実験教室」ですが、その根底には、家庭や地域にある小さな出来事を子どもたちにたくさん体験してもらいたい、という思いがあるという。活動の魅力だけでなく、自己実現のストーリーに合っていることが大切なのです。
ローカルプレイヤーは、自分の活動とはちょっと違うお誘いを受けることがあります・・・あなたは子どもの居場所づくりがしたい人だとして、マルシェ出店のお声がかかったとしましょう・・視点を変えて考えてみると、もしかしたら活動の資金づくりになるかもしれません(p88)
とりあえずやってみる
ローカルプレイヤーに大切なのは、まず「とりあえずやってみる」ことだという。やってみて、どんな気づきや学びがあったのかを振り返り、改善していくのです。
地域の人々の役に立つ素敵な活動だと思って始めても、実際には共感や応援の輪が広がらないかもしれません。
誰に届けたいのかが明確になっていないこともあるでしょう。お手伝いしてくれる人が集まらないこともあるでしょう。人と出会える居場所をつくったのに、肝心の人が集まらないこともあるでしょう。
著者は、人と出会える場所には「魅力」があると指摘しています。コーヒーを楽しむ喫茶店、お酒を飲みながら語らう居酒屋、子どもがのびのび遊ぶ児童館。
「人と出会うこと」そのものが目的なのではなく、魅力や楽しみがあるからこそ、結果として人と人が出会うのです。やってみることで、こうしたことが見えてくるのでしょう。
どんなお手伝いが必要なのかを明確化しておく(p106)
ローカルプレイヤーはやはり人間関係
ローカルプレイヤーの活動は、地域の住民同士のつながりの上に成り立っています。だからこそ、最後は「人間関係」が重要になります。著者が勧めているのは、「ゆるく」「信頼するけど期待しない」という姿勢です。
例えば、「今度お茶でもしましょう」と言われたなら、相手からの連絡を期待して待つのではなく、自分から段取りしてしまう。また、嫌な人を無理に好きになろうとすると、自分が疲れてしまいます。そういう人とは、無理をせず、できるだけ距離を取ればいい。
人を紹介するときも、簡単に紹介するのではなく、まず相手のニーズや条件を確認し、信頼できる人だけを紹介する。
この本には、実際に地域で活動してきたからこそわかる、人間関係の難しさとリアルな対処法があると思いました。森川さん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・住人同士がゆるくつながって,地域の肯定感を育み,心地の良いコミュニケーションから,無理のない範囲で助け合う,そんな地域の循環を作りたい(p3)
・「初めて会ったのに意気投合」みたいなときがあったら、それはどんな偶然が重なったからそうなったのか検証してみましょう。あなたが人とつながるコツが見つかるかもしれません(p155)
・イベント情報・・・あなたが本当に面白そうだな、興味があるな、というイベントだけを回ることで、あなた自身が楽しく参加できます(p152)
▼引用は、この本からです

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森川公介、小鳥書房
【私の評価】★★★★☆(84点)
目的
第1章 ローカルプレイヤーとは?
第2章 ローカルプレイヤーの教室 始動編
第3章 ローカルプレイヤーの教室 実践編
第4章 コミュニティリテラシーを考えよう
第5章 ローカルプレイヤーの教室 卒業編
著者経歴
森川公介(もりかわ こうすけ)・・・合同会社えんがわ代表。ローカルプレイヤーの教室主催。元ケアマネジャー。1982年6月生まれ。生まれも育ちも東京都足立区。2006年より介護職に就き、グループホームの管理者やケアマネジャー事務所の管理者を経験。2021年4月、東京都足立区綾瀬にて合同会社えんがわを設立。ケアマネ事務所「あやせのえんがわ」を、コミュニティスペースを兼ねて運営。
2023年3月、ケアマネ業を休止。地域活動を始める人々のための「ローカルプレイヤーの教室」を開講。
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