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【書評】「人生を変える読書 人類三千年の叡智を力に変える」堀内勉

2025/05/01公開 更新
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「人生を変える読書 人類三千年の叡智を力に変える」堀内勉


【私の評価】★★★☆☆(75点)


要約と感想レビュー


自分はこれからどう生きればよいのか

著者は新卒で日本興行銀行に入行し、安定した仕事に就いていました。そんな著者が読書を続けてきた理由は、「朝9時に会社に行かなくてはならない牢屋のような会社を辞めて、自由に生きたい」と感じていたからだという。


また、読書をすることによって、「自分は何のために生まれてきたのか?」「自分は本当は何がしたかったのか?」「自分はこれからどう生きればよいのか?」と考えるきっかけになったというのです。


つまり、読書とは著者との出会いであり、人との出会いこそが、自分の人格を形づくってくれます。読書を続けることで、だんだんと心が鍛えられていくのです。だから著者のお勧めの読書法は、本の内容と自分の人生とを照らし合わせて、これからの人生をどう生きるのか考えることです。


読書を続けられた背景には、「こんな牢屋のような社会から絶対に抜け出してやる」という、ある意味、後ろ向きで強烈なモチベーションがあった・・・37歳で会社を辞める決心をしました(p98)

具体的な本の読み方

本の中には人類が何千年にもわたり受け継いできた「知の蓄積」があります。本を手に取ることによって、世の中の問題はだいたい解決できます。


例えば、マルクス・アウレリウス自省録を読めば、ローマ時代も現代も同じような悩みを抱えており、「困難に直面したとき、人はどう生きるべきなのか?」そうした問いに対して、考えるヒントを与えてくれるのです。


ただ、本は読んだだけではすぐに忘れてしまいます。そこで大切なのが、読んだ内容をアウトプットすることです。著者はFacebookに読んだ本の感想を備忘録として書いていました。その内容を見て、書評サイトHONZのレビュアーとして声がかかったのだという。


また、本の買い方については、積読となっても木にせずに、関心がありそうな本は手当たり次第に買っているそうです。本のソムリエと同じですね。


本はただ読んだだけではすぐに忘れてしまう・・・読んだ内容をアウトプットする(p185)

どんな本を読めばよいのか

個人的には、著者が教授として多摩大学大学院のビジネススクールで行っている「読書演習」が興味深かったです。このゼミ形式のクラスでは、生徒が自分に大きな影響を与えた本を持ち寄って、なぜその本が自分にとって特別なものなのか意見交換しているという。


世の中では、自分が「どんな本を読めばよいのか?」悩んでいる人が多いと思いますので、他人の事例は参考になるはずです。ヒトは環境を含めた多くの「体験」と「学習」が積み重ねられて形づくられますが、この「学習」の一つとして読書が大きいのです。


「どんな本を読めばよいですか?」・・それは自分自身に聞くしかない・・もっと自分の「内なる声」に忠実に生きればよいだけのことなのです(p22)

なぜ読書をするのか

ヒトが読書をするのは、「知りたい」「自由になりたい」「幸せになりたい」という欲求があるからでしょう。ヒトが自主的に学ぶのは、ヒトの特性として備わっているのです。そして、学びによって、ものごとを知れば知るほど、ヒトは謙虚になっていくという。


学ばないよりは、学んだほうがより良い人生になると私も同感です。堀内さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言


・ルソーは「エミール」という教育論の本の中で、子どもの自発性と内発性を尊重する教育論を展開しています(p26)


・人間は個体としての肉体的弱さを補うために、集団をつくって生きる社会的な動物(p35)


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堀内勉(著)、Gakken


【私の評価】★★★☆☆(75点)


目次


序章 自分を形づくる読書―人格をつくりあげるのはあなた自身である
第1章 人生を変える読書―あなたはまだ本当の読書を知らない
第2章 生きるための読書―不確実な人生を生き抜く力を手に入れる
第3章 好きから始める読書―読書至上主義という思い込みを捨てる
第4章 対話としての読書―既成概念の「枠組み」の外に出るために


著者経歴


堀内勉(ほりうち つとむ)・・・多摩大学大学院経営情報学研究科教授、多摩大学社会的投資研究所所長、一般社団法人100年企業戦略研究所所長。東京大学法学部卒業、ハーバード大学法律大学院修士課程修了、東京大学 Executive Management Program(東大EMP)修了。日本興業銀行(現みずほ銀行)、ゴールドマンサックス証券、森ビル・インベストメントマネジメント社長、森ビル取締役専務執行役員兼最高財務責任者(CFO)、アクアイグニス取締役会長等を歴任。現在は、社会変革推進財団評議員、川村文化芸術振興財団理事、アジアソサエティ・ジャパンセンター理事兼アート委員会共同委員長、田村学園理事・評議員、麻布学園評議員、ボルテックス取締役会長、経済同友会幹事、書評サイトHONZ レビュアーなどを務める傍ら、資本主義の研究をライフワークとして、多様な分野の学者やビジネスマンと「資本主義研究会」を主催している。


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