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「0歳から100歳までの これからの「歯の教科書」」多保学

2024/10/22公開 更新
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「0歳から100歳までの これからの「歯の教科書」」多保学


【私の評価】★★★★☆(87点)


要約と感想レビュー


アメリカの歯医者は高い

アメリカの大学に3年間留学し、世界最高水準の歯科医療を学んだ著者が教える歯の常識です。アメリカで驚いたのは、歯への意識が非常に高いということです。なぜかといえば、アメリカでは1本でも虫歯になると高額な治療費がかかってしまう。だからアメリカ人は、虫歯にならないように定期的に歯医者で検査と歯垢を取ってもらうのです。


一方の日本人は、虫歯になったら歯医者に行くという考えの人が多いのです。これでは、歯並びの悪い日本人が多いのも、仕方がない面があると思えます。


メンテナンスは・・セルフケアがしっかりできている人であれば、半年に一度、あるいは1年に一度でもいいでしょう(p175)

子どもの頃から歯磨き習慣

著者がアメリカで学んだ歯の常識で驚いたのは、子どもの頃から歯のメンテナンスを教育していく必要があるということです。


まず、3歳まで虫歯に感染しなければ、成長過程で虫歯になる可能性は4分の1というデータがあります。そこで、子どもは小学4年生までは親が仕上げ磨きをしてあげることを推奨しています。それによって毎食後歯磨きをする、または最低1日2回、朝食後と夕食後に必ず磨く習慣を子どもに持ってもらうのです。


さらに虫歯になりやすい間食は食べないこと、砂糖の入っているスポーツドリンクは飲まないことが虫歯を予防するのです。


スポーツドリンクは「虫歯になってください」と言っているような飲み物・・糖分の塊(p125)

口呼吸で上顎発達障害

また、上顎が成長せずに歯並びが悪くなることがあるのですが、上顎は、下から舌で押される刺激によって成長するという。


そして口呼吸している人は、常に口が開いているので、舌が上顎のスポットについていないので、これでは上顎は発達しないという。


上顎が発達シていない場合、物理的に上顎を引っ張る矯正術があります。骨の形まで変えて歯並びをよくするのか!とびっくりしました。


著者も鼻炎で口呼吸をしていましたが、40代で鼻中隔湾曲症と下鼻甲介肥大症と診断され、手術で鼻呼吸できるようになったという。


鼻中隔矯正術と下鼻甲介骨切除術を行いました・・鼻で呼吸することができています(p102)

歯のメンテナンスで虫歯予防

歯の意識の低い日本では、食後に歯磨きを行い、定期的に歯医者でメンテナンスすることで、虫歯を減らせるのです。


虫歯の平均本数は、1位の新潟県は0.2本、最下位の沖縄県は1.6本だという。新潟県では虫歯予防対策として、虫歯予防に効果のあるフッ化物洗口を行うなど、学校などで歯の教育を推進してきた結果、成果を上げているのです。


私も40代から歯間ブラシとフロスを使い始めましたが、歯については日本は情報提供不足だと思います。多保さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言


・セルフケアだけで歯に付着した全てのバイオフィルム(歯垢)を除去することはできません(p160)


・高度な歯周治療は歯周病専門医に任せるべき(p196)


・アメリカで・・自己管理ができない人と見なされてしまう3つのタイプ・・太っている人、タバコを吸う人、そして歯が汚い人です(p251)


▼引用は、この本からです
「0歳から100歳までの これからの「歯の教科書」」多保学
多保学、イースト・プレス


【私の評価】★★★★☆(87点)


目次


第1章 なぜ0歳からの予防が必要なのか
第2章 0歳の赤ちゃんは「歯」ではなく「舌」を見る
第3章 子どもの顎の成長は10歳までの習慣で決まる
第4章 虫歯予防は3歳までが肝心
第5章 真の予防歯科医療とは何か
第7章 それでも歯が抜けてしまったら
第8章 歯を守れば人生が豊かになる



著者紹介


多保 学(たぼ まなぶ)・・・日本歯科大学付属病院臨床准教授。日本歯周病学会指導医。医療法人社団幸誠会 たぼ歯科医院 理事長。歯科博士。埼玉県浦和駅に3店舗の歯科医院を経営し、スタッフは100名。日本歯科大学附属病院で教鞭をとり、国内外の学会での講演多数。予防と再生医療の知識・技術セミナーを毎月開催し、講師を務める。日本で数少ない日本歯周病学会指導医として歯周病専門医の育成に尽力。日本の8割が歯周病に罹患している事実を知り歯周病専門医資格を取得。米国ロマリンダ大学大学院へ留学。帰国後、2015年に「たぼ歯科医院」を開業。2022年「さいたま・こども矯正歯科」を開院。

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