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「学校に行けない子どもの気持ちがわかる本」今野 陽悦

2023/07/17公開 更新
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「学校に行けない子どもの気持ちがわかる本」今野 陽悦


【私の評価】★★★★☆(86点)


要約と感想レビュー

「あなたは悪くありません」

不登校・引きこもり専門カウンセラーは、悩んでいる親にどういった話をしているのでしょうか。まず、親に伝えるのは、「あなたは悪くありません」ということです。この一言で、親御さんは安心することでしょう。そして、「学校は無理して行かなくてもいい」という事実を伝えます。学校に行かなくても勉強はできるし、社会に出て、活躍することもできるのです。


だから、無理に学校に行かせる必要はないし、子どもを追い詰めないためにも、親が子どもから自立することが大事だという。子どものことに悩むだけでなく、自分の好きなことに没頭できる時間をもってほしいとさえ著者は提言しているのです。


子どもは親子であっても別の人間・・子どものありのままの姿を認め、受け容れるように心がけてみてください(p161)

集団タイプと個人タイプにわかれる


大切なことは、人間は集団タイプと個人タイプにわかれるということです。集団タイプの子どもは、「みんなとうまくやっていきたい」のにできない自分を責めているという。この場合、親が集団タイプなら一緒に悩んでくれますが、親が個人タイプだと子どもが放っておかれて、子どもが寂しい思いをしていることがあるというのです。


一方、個人タイプの子どもは「やりたいことがあるのにできない」というつらさが溜まっていることが多いという。著者は個人タイプだったので、小学校6年生のときの親への怒りを、不登校中だった17歳のときにぶつけたことがあると告白しています。このように親子といっても、それぞれ性格も違うし、目指すゴールも違うのです。そうした違いを認識したうえで、話し合える関係性を作っていくことが大事なのでしょう。


「親のゴールと子どものゴールは違うかもしれない」という前提に立った上で、改めて「学校に行くこと」がゴールなのか(p38)

自分は自分、子どもは子ども

著者の提案は、難しいかもしれませんが、「自分は自分、子どもは子ども」と考えるということです。子どもが学校に戻りたいなら、その環境整備をしてあげる。子どもが学校以外で学びたいならそれをサポートしてあげる。


そして、子どもが暴力を振るうなら、家を出て、物理的に距離を置いて親がいなければ生きていけないことを子ども自身に感じてもらえばよいのです。無責任に感じるかもしれませんが、それだけ子どもに親がかまいすぎている場合が多いのかもしれません。不登校・引きこもり専門カウンセラーも大変な仕事ですね。今野さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言

・お子さんが元不登校で立ち直った人がまわりにいればコンタクトをとってみる(p187)


・合理的ビリーフをもつ人は「挑戦することで必ず何か得られるものがある」(p50)


・非合理的ビリーフをもつ人は「挑戦しても成功することはむずかしいだろう」(p50)


▼引用は、この本からです
「学校に行けない子どもの気持ちがわかる本」今野 陽悦
今野 陽悦、WAVE出版


【私の評価】★★★★☆(86点)


目次

第1章 あなたは悪くありません
第2章 子どものケアをするときの基本
第3章 集団タイプ・個人タイプの子どもたち
第4章 不登校解決までのステップ
第5章 よくある質問



著者経歴

今野陽悦(こんの ようえつ)・・・不登校・引きこもり専門カウンセラー。10代の頃に不登校や引きこもりを経験し、どうにかして現状を変えたいとカウンセリングを受講しながら、自身もカウンセリングや心理学を学ぶ。引きこもり時代の自分と同じように悩んでいる人の力になりたいと、自身の経験を通じて、20歳の頃から不登校・引きこもりなど子どもの問題を専門としたカウンセラーとして活動を開始。子どもの気持ちに寄り添い、一緒に解決していくカウンセリングスタイルが話題となり、のべ1万件を超えるカウンセリングを行う。カウンセリング活動のかたわら、無料メールマガジン「不登校・引きこもりのお子さんを持つ親御さんのための親子関係講座」(購読数約7万人)を発行。


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