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「習慣超大全 スタンフォード行動デザイン研究所の自分を変える方法」BJ・フォッグ

2023/06/28公開 更新
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「習慣超大全 スタンフォード行動デザイン研究所の自分を変える方法」BJ・フォッグ


【私の評価】★★★★☆(89点)


要約と感想レビュー

「タイニー・ハビット」とは?

スタンフォード大学で行動を変えるためにはどうすればよいのか研究しているフォッグ先生に、習慣の変え方を教えてもらいましょう。著者が「タイニー・ハビット」と名付けている方法は、30秒もかからずにできる「小さい行動」に的を絞ることです。つまり、やりたい行動を制限している抵抗を小さくするために、行動を小さくするのです。抵抗を小さくするという意味では、道具やアプリを使ってやりやすくしてもよいでしょう。


人が行動を変えられないという背景には、心の中に「やりたい」「やりたくない」という2つの気持ちの矛盾があるのです。したがって、できるだけ「やりたくない」という気持ちを小さくするために抵抗を小さくすることが大事なのです。また、「やりたい」という気持ちを大きくするために小さく行動したら「お祝い」をするなどして「やりたい」気持ちを強化しましょう。


・成功を祝福する(p300)


既存の習慣をアンカーにするとは?

2つ目の習慣化のコツは、新しい習慣を既存の習慣と組み合わせる方法です。この本に紹介されている事例で面白いと思ったのは、トイレから出るたびに腕立て伏せを2回する、朝、コーヒーを入れるときにスクワットを2回するというものです。実は私もトイレでは、腰を浮かせて足を鍛えていますし、通勤時間に本を読んでいるのです。つまり、既存の習慣をアンカー(きっかけ)にして良い習慣をくっつけるのです。


この本で紹介されている女性は、子どもを幼稚園に車で送った後で、付箋にその日の重要事項を書いてダッシュボードに貼って「これでよし!」と言って、手をパチンと打つことにしたという。このように、毎朝その日にすべきいちばん大事なことを1つ、付箋に書くことで彼女の生活がかわり、満足感が劇的に高まったというのです。


・合間の習慣・・「シャワーをひねったあと(お湯を待っているあいだに)、××をする」(p228)


環境を変える

それ以外の習慣化の方法としては、グループで行う方法が紹介されています。自分一人では、習慣を変えるのはハードルが高いのです。一人でできないならば、強制的に行動するために、同好者の会に参加するのもよいし、お金を払ってクラブに参加してもよいでしょう。この本では、一人では運動する習慣が続かなかった女性が、週に一度のヨガクラスに通ったり、ランニングサークルに参加することで、運動の習慣を取り戻した事例が紹介されています。


環境や仕組みやツールによって、やりたい行動をやらざるをえない状況にもっていくことも、できないことをやり続ける一つの方法なのでしょう。さすがスタンフォード大学で人間の行動を研究しているだけあると思いました。フォッグさん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言

・永続的な変化を起こすためにできることは3つしかない・・「天啓を得る」か、「環境を変える」か、あるいは「小さなところから習慣を変える」(p12)


・侮辱されたと感じたら、自分のために心地よいことをする(p237)


・ささやかな祝福・・・親指を立てたり、ガッツポーズをして「最高!」・・ただにっこりして、心の中で「よし!」と言葉を発する(p253)


・私は参加者に・・「いい習慣」と、後ろめたく感じ、やめたいと思っている「悪い習慣」を1つずつ話してもらう(p53)


▼引用は、この本からです
「習慣超大全 スタンフォード行動デザイン研究所の自分を変える方法」BJ・フォッグ
BJ・フォッグ、ダイヤモンド社


【私の評価】★★★★☆(89点)


目次

1 行動を分析する―「3つの要素」が行動を生む
2 "モチベーション"編―「黄金の行動」をマッチングする
3 "能力"編―習慣を「簡単なもの」に変える
4 "きっかけ"編―「どの日課」のあとに行動する?
5 定着させる―祝福で脳をきらめかせる
6 小を大に育てる―変化のスキルを活用する
7 悪習をやめる―習慣の結び目をほどく
8 一緒に変わる―みんなで人生を変える



著者経歴

BJ・フォッグ(BJ Fogg, PhD)・・・スタンフォード大学行動デザイン研究所創設者兼所長。行動科学者。大学で教鞭をとるかたわら、シリコンバレーのイノベーターに「人間行動の仕組み」を説き、その内容はプロダクト開発に生かされている。タイニー・ハビット・アカデミー主宰。コンピュータが人間行動に与える影響についての実験研究でマッコービー賞受賞。フォーチュン誌「知るべき新たな指導者(グル)10人」選出。スタンフォード大学での講座では、行動科学の実践により10週間で2400万人以上がユーザーとなるアプリを開発、リーンスタートアップの先駆けとして大きな話題になった。教え子からインスタグラム共同創設者など多数の起業家を輩出、シリコンバレーに大きな影響を与えている。


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