「今すぐできて、一生役立つ 地頭力のはじめ方」細谷 功
2023/04/01公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(85点)
要約と感想レビュー
地頭力とは
東芝、外資系コンサルを渡り歩いたコンサルタントが教えるコンサル脳(地頭力)です。コンサル脳(地頭力)の本質は、単純に考える抽象化思考力、全体から考えるフレームワーク思考力、結論から考える仮説思考力であるという。つまり、コンサル脳(地頭力)とは、客観的に「離れて」全体を俯瞰して考えることで、漏れなくダブりなく本質をとらえる力なのです。
こうしたコンサル脳(地頭力)を鍛えるためには、仕事の場を使うのが効果的です。例えば、今やっている仕事について、なぜこの仕事をやっているのか、なぜこんなやり方をしているのか、考えるのです。最終的には、仕事の目的を達成する、よりよい選択肢や方法を提案できれば自分にとっても会社にとっても良い結果となるのではないでしょうか。
「恵まれない」環境は絶好のチャンス!・・・自分で考える姿勢を養う絶好のチャンス(p73)
Why型人間とは
興味深かったのは、著者がWhy型人間を推奨しているところです。Why型人間は、表面的なカタチではなく、本質的なココロを見ようとする人です。例えば、車を運転していて後ろの車から煽られたとしましょう。表面的には煽られて、恐怖心を持つのが普通でしょう。ですが、場合によっては、後ろの車が急病人を病院に運ぼうとしているのかもしれないのです。
仕事でいえば、表面的には上司の言うことがコロコロ変わって困っているとしましょう。でも実は、上司の上司から指示が来ているのかもしれないし、上司は仮説を立てながら、素早くテストをしなら試行錯誤している可能性もあるわけです。つまり、「カタチ」しか見ていない人は、表面的な状況に一喜一憂することになりますが、本質的なココロを見ることができれば、本質的な対応を考えることができるようになるのです。
Why型人間・・ココロ(本質)を見る・・言われたことの理由を考える・・与えられた仕事の目的を達成する、最善の方法を考える(p110)
仕事のやり方を変えていく
世の中に完璧な人間がいないように、完璧な仕事のやり方はありません。どこかに改善すべき課題はあるのです。普通に仕事をしていくのも一つですが、仕事の課題を解決していくというのも面白いのではないかと思いました。そのために、Why型人間になって、与えられた仕事の目的を考え、仕事のやり方を変えていくのです。もちろん仕事を変えていくためには、別の壁が出てきます。それが面白いのでしょう。
「時間の無駄遣い」やメールでのコミュニケーションのコツなど、細かい仕事のハックネタも充実していました。★4とします。細谷さん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・わからないことが多くても一歩前に出てみる・・・仮説思考(p89)
・切羽詰まればだれでも「後ろから」考える(p100)
・コミュニケーションの基本は「時間をあけずに何度も」(p114)
・フェルミ推定・・日本全国に美容室は何件あるか?(p201)
【私の評価】★★★★☆(85点)
目次
第1章 ウォーミングアップ 「地頭力」を自己診断してみよう
第2章 大前提 「地頭力のある人」と「ない人」の違いを考えてみよう
第3章 心がまえ 「考えはじめる」ために、三つの「意識」を持とう
第4章 実践トレーニング 眠っている地頭力を呼び覚まそう
第5章 力試し フェルミ推定を解してみよう
第6章 増補新章 「地頭力」のその後
第7章 付録 地頭力を鍛える10のキーワード
著者経歴
細谷 功(ほそや いさお)・・・ビジネスコンサルタント・著述家。神奈川県生まれ。株式会社東芝を経て、アーンスト&ヤング、キャップジェミニ、クニエ等の外資系/日系のグローバル・コンサルティングファームにて業務改革等のコンサルティングに従事した後独立。近年は問題解決や思考力に関する講演やセミナーを企業や各種団体、大学等に対して国内外で実施。
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