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「自身の価値を最大化する 最強キャリアアップ術 自分広報力」金山 亮

2023/03/31公開 更新
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「自身の価値を最大化する 最強キャリアアップ術 自分広報力」金山 亮


【私の評価】★★★★★(92点)


要約と感想レビュー

自分株式会社

化学メーカー、ゲーム会社、PRコンサル会社、流通会社、デトロイト・トーマツと渡り歩いてきた著者はどうやって自分を広報してきたのでしょうか。著者の提案は、与えられた仕事をやるだけを卒業して、「すごく助かるよ」と言ってもらえるような活動をプラスアルファで行うことです。言い方を変えれば、「自分株式会社」の社長として自分ならではのサービスを提供していくのです。


ものすごいサービスをする必要はありません。例えば、手間のかかっている議事録の作成を買って出てもいい。今あるデータをグラフ化して張り出して、見える化してもいい。できる範囲で、職場の課題を解決するのです。著者は月一回のペースで自分の職場の活動やその成果をまとめた「今月のハイライト」を作成して社内の関係部門に配信していたこともあるという。まさに社内広報です。


・手の回っていない課題やタスクを自分から引き受ける(p71)


雑談で課題を探す

では、職場の課題はどうやって見つけるのでしょうか。それは雑談です。しかし、最近はリモートの仕事が増え、飲み会も減り、効率的な仕事が求められる職場では、雑談もしにくくなっています。著者は仕事の中でお付き合いのある人に、個別にアプローチしています。つまり、仕事の最後に相手を褒めつつ、相手の得意そうなことについて教えてくれるようお願いするのです。こうして社内の課題を探して、課題が発見できれば、それを解決するための行動を起こすのです。


人の手が足りていないところを手伝ってもいいし、課題を解決するための情報提供でもいい。メンバー間や組織間でギクシャクしていれば、それを解消するために動いてもいいのです。この本では建機メーカーであるコマツで、現場でコマツの建機の使われ方と、ライバルであるキャタピラーとの性能差をまとめた「コマツフィールドハンドブック」を作った野路さんの例が出てきます。野路さんは後に社長、会長にまで出世しているのです。


・相手の長所や実績をほめて、興味・関心があることを示して、「もう少しお話を聞かせてください」と言って雑談に持ち込む(p60)


社員稼業

松下幸之助の「社員稼業」を思い出しました。自分をサラリーマンと考えるのではなく、自分の人生の経営者と考えるのです。会社員ですと、どうしても挑戦して失敗した人の末路や、言われたことをそこそこにこなして出世していく人たちを見ていますので、どうしても保守的になってしまいます。しかし、言われたことをこなすだけでは、評価されることは少ないし、仮に過小評価されているとすれば、それなりの仕事しかもらえず成長も止まってしまうのです。


自分が社長であるとすれば、自分株式会社のビジョンは何なのか、人材育成はどうするのか、どのようなサービスを提供するのか、広報はどうするかなど、ワクワクする経営計画を持っていなくてはならないのでしょう。金山さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言

・「志」や「大義」・・・「アスピレーション」の旗を立てる(p258)


・メッセージ思考・・1将来仮説2ソリューション3差別化(p169)


・現場の課題や成果をデータで分かりやすく示し伝える(p74)


・皆が関心を持っているテーマや何となく潜在的に悩んでいた課題に新たな気づきを与える(p17)


▼引用は、この本からです
「自身の価値を最大化する 最強キャリアアップ術 自分広報力」金山 亮
金山 亮、イースト・プレス


【私の評価】★★★★★(92点)


目次

第1章 「自分広報力」が、あらゆるキャリアを成功に導く原動力
第2章 周囲の役に立つ「ポジショニング(立ち位置)」を見つけよう
第3章 「ポジショニング」を固め、「自分広報」活動をはじめよう
第4章 「ポジショニング」の守備範囲を広げてリーダーシップを持とう
第5章 「自分広報力」は「メッセージ思考」を鍛えて劇的アップ
第6章 「メッセージ思考」を豊かにすれば、あなたの成長が加速する
第7章 自分自身の「アスピレーション」の旗を掲げよう



著者経歴

金山 亮(かなやま りょう)・・・1964年、富山県生まれ。東京大学法学部卒業後、大手化学メーカーとゲーム会社にて海外企業との提携・折衝業務に携わる。その後、PR/コミュニケーション・コンサルティング会社の一つであるフライシュマン・ヒラードの日本法人に準創業メンバーとして在籍。2007年に外資系傘下で経営再建中だった大手流通企業の執行役員。2015年からはデロイト トーマツ グループに参画。現在、執行役員。


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