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「激動期を生き抜く これからの帝王学」永田雅乙

2022/10/29公開 更新
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「激動期を生き抜く これからの帝王学」永田雅乙


【私の評価】★★★★★(92点)


要約と感想レビュー

著者の祖父は映画会社「大映」の創業者です。永田ラッパと呼ばれ、大きな夢や大言壮語を吐くことで有名でした。著者が祖父から学んだ帝王学とは何だったのでしょうか。


著者が祖父から言われてきたことは、失敗や挫折を恐れずに行動し、その経験から学ぶことです。行動しないで後悔すること、失敗を恐れて行動できないことが人生でいちばんの損失だという考え方です。東宝、東映、松竹に並ぶ映画会社を創業し、倒産させてしまったおじいさんはチャレンジャーだったのです。


・どれだけ多くの経験を重ねたかが豊かさの指標になる。だから何事も思い立ったら行動しなさい・・と、いつも言われてきました(p21)


興味深かったのは、おじいちゃんが大映の倒産を振り返って、「あのとき倒産して本当によかった」と述懐していることでしょう。大映という映画会社が大きくなっていくなかで、それまではお客さんに笑顔になってもらいたくて映画を作っていたのに、倒産する前にはいかにお金を増やすのか、という視点に変わってしまっていたというのです。大映の倒産によって、おじいちゃんが人生において大切にしてきた「人を笑顔にすること」を再度、思い出すことができたという。


「人を笑顔にすること」という商売の原則は著者の取り組んでいる飲食店コンサルでも同じであり、お客様一人ひとりの期待を超えることで固定客が増えていくということです。お客様一人ひとりを大切にする、納入業者さんや従業員を大切にする、関係するすべての人が笑顔になれば、物事はうまくいくのでしょう。特に激動期は、誰もが余裕をなくしているので、「人を笑顔にすればお金がもらえる」という原理原則が重要となるのです。


・「人を笑顔にする仕事をしなさい」・・・業者さんへのひどい振る舞いをしている先輩に意見して、生意気だと殴られたこともあります(p44)


そしておじいちゃんが教えてくれた帝王学は、ありのままの自分でいること。他人の評価を気にしないということです。おじいちゃんが、「ありのままに振る舞ったお前を『好きだ』と言ってくれる人が、お前の人生にとって大切なんだ」と教えてくれたように、正直で誠実な人であること。ありのままの自分を好きだと言ってくれる人を大切にすることです。ありのままの自分でいることによって、自分の人生にとって本当に大切な人が見えてくるのです。ありのままの自分を否定する人とは付き合わないようにしましょう。


逆に他人の評価を気にするということは、自分の人生を生きていないということだし、そんな自分に近づいてくる人は自分の人生に必要のない人たちということです。「「自分のことを好きだ」という人のために働くべきで、自分を嫌いだという人にカマっているヒマはない」というおじいちゃんの言葉が心に染みました。


ありのままの自分を出すことで、周囲と衝突することがあるのかもしれませんが、自分を出さないで嫌な人と付き合うことと比べると、ずっとましだし充実した人生になるように感じました。おじいちゃんの教えは偉大だと感じました。★5とします。永田さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言

・お前は、もっと違う何かを欲しがる・・今あるもののありがたさに気づきなさい(p64)


・感情を自分で決める・・・感情を自分で決めている人はかなり少なく、反応に振り回されている人が大半(p105)


・船井(幸雄)さんにこう言われたことがあります。「永田くん、なぜ苦しいのかと空から眺めてごらん。相手への怒りはさておき、なぜトラブルが生まれたのか、自分に何が足りなかったのか(p183)


▼引用は、この本からです
「激動期を生き抜く これからの帝王学」永田雅乙
永田雅乙、秀和システム


【私の評価】★★★★★(92点)


目次

第1章 そもそも、帝王学とは何か?
第2章 飲食業界には帝王学の基礎が詰まっていた
第3章 他人の評価を気にする帝王などいるのか?
第4章 お金と幸せを結ぶ「実践的帝王学」の初歩
第5章 これまでの帝王学と、これからの帝王学



著者経歴

永田雅乙(ながた まさお)・・・1976年、東京都生まれ。慶應義塾大学卒業。フードビジネスコンサルタント。「永田ラッパ」の異名をとった映画会社「大映」の社長・永田雅一の本家最後の男児曽孫として、幼いころより"お金と幸せを結ぶ"帝王学を授かる。14歳より老舗イタリアンレストランの厨房を含め、さまざまな店に入り、社会経験と現場の仕事を学ぶ。10代で「創作イタリアン」というコンセプトで初の店舗をプロデュースし、大学卒業後フードビジネスコンサルタントとして活躍。〈現場主義〉をモットーに、これまで国内外19か国、累計1万1000店舗以上のプロデュース、コンサルタントを手掛ける。現在、フードビジネス専門コンサルタント会社「ブグラーマネージメント」代表取締役社長兼CEO。外食産業に限らず幅広い業界から"人財教育"の部分で高い評価を受けている。


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