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「仕事力が劇的に上がる「脳の習慣」」澤口 俊之

2022/09/01公開 更新
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「仕事力が劇的に上がる「脳の習慣」」澤口 俊之


【私の評価】★★★☆☆(71点)


要約と感想レビュー

 脳科学者が教える健康で頭がよくなる生活習慣を学びましょう。当たり前のようですが、脳トレーニングで脳は鍛えますが、運動することでさらに知能が向上するという。学校では文武両道と言われますが、学術的にデータで示されているのです。


 会社員なら週末はテニスやサッカー、ゴルフなど足腰を使うスポーツをして楽しむこと。仕事を引退したら、ボランティアのような集団で自分が活躍できる作業をすることが、脳のパフォーマンスを高めるのです。さらに運動によって病気にもなりにくくなることがデータで証明されています。仕事で疲れているかもしれませんが、運動こそ、私たちが健康であるための薬なのです。


・筋力増強運動をしている人は、全ての原因による死亡率が23%も少なく、がんに限ると死亡率はもっと低く31%も減少(p106)


 興味深かったのは、寒い地域にいる民族のほうが好奇心遺伝子が多く、知能が高いというのです。確かにアフリカよりは北欧のほうが知的で真面目な人が多いような気がします。そもそも、無知で不真面目なら寒い地域では、生き残ることができないでしょう。


 より厳しい環境が人の脳を鍛えるということなのでしょう。厳しい環境で生きるのは大変ですが、大変がゆえに知能が向上するのです。仕事でも同じです。厳しい職場はつらい思いをすることも多いのですが、後になって考えてみると、そうした経験があったから強くなったということもあると思うのです。


・より過酷な環境に移住した民族ほど知能が高い・・「好奇心遺伝子」の頻度は南方アフリカから遠い民族ほど多い(p37)


 後半は健康食品のコマーシャルのようになっていました。食べ物は肉よりは魚がいい。職場には観葉植物を置いて、緑茶を飲んで、ラベンダーのようなハーブの香りでリラックスし、集中力を高めましょう。通勤では歩くようにして、週末も運動をすることで、健康が維持でき、脳力も高まるのです。


 結論としては好奇心を持って考え、暇があったら運動するのが人間にとって最適な環境のようです。皆さん、人生を楽しみましょう。澤口さん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・狩猟採集民族を調べたところ、高齢でも血管年齢は50歳程度だったとか、・・認知機能の老化が欧米に比べて70%も遅く、認知症発症率は欧米の10分の1程度(p84)


・歩行・走行という有酸素運動によって、脳の発達が促され、知能が向上する(p87)


・自然体験で「仕事に重要な創造力」が50%も向上する(p135)


・緑環境(緑の景観)を無意識に見ているだけで脳機能によいというデータもあります(p142)


・緑茶に豊富なカテキン類が身体にも脳にも非常に有益(p167)


▼引用は、この本からです
「仕事力が劇的に上がる「脳の習慣」」澤口 俊之
澤口 俊之、ぱる出版


【私の評価】★★★☆☆(71点)


目次

第1章 社会人に必要なのは「脳科学的な知能(@前頭前野)」だけ
第2章 知能や前頭前野を向上・発達させる方法とは
第3章 もっと手軽に知能・前頭前野の機能を向上させる方法
第4章 人生の危機は5回ある
補足:ごく簡単な認知テスト



著者経歴

 澤口俊之(さわぐち としゆき)・・・1959年東京都葛飾区生まれ。1982年北海道大学理学部生物学科卒業。京都大学大学院理学研究科博士課程修了。1988年米国エール大学医学部神経生物学科にリサーチフェローとして赴任。京都大学霊長類研究所助手、北海道大学文学部心理システム科学講座助教授を経て、1999年北海道大学大学院医学研究科教授。2006年人間性脳科学研究所・所長。2011年武蔵野学院大学国際コミュニケーション学部教授兼任。2012年同大学院教授兼任。専門は神経科学、認知神経科学、社会心理学、進化生態学。理学博士。近年は乳幼児から高齢者まで幅広い年齢層の脳の育成を目指す新学問分野「脳育成学」を創設・発展させている。


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