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「STRESS FREE: ネガティブな感情を力に変えるケンブリッジ大学の研究者が明かす科学的に正しいシンプルな63のメソッド」オリヴィア・リームス

2022/06/03公開 更新
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「STRESS FREE: ネガティブな感情を力に変えるケンブリッジ大学の研究者が明かす科学的に正しいシンプルな63のメソッド」オリヴィア・リームス


【私の評価】★★★☆☆(71点)


要約と感想レビュー

不安や悲観的な気分は自然なもの

ケンブリッジ大学で不安や抑うつなどの心の健康について研究している著者から、悲観的な気分から抜け出す方法を教えてもらいましょう。この本では、決められない、やる気が出ない、継続することができない、不安や心配で落ち込むといった症状別にアドバイスしています。


似たような症状なので重複しているものもありますが、まず「不安」が人間が自分を守るために作り上げた仕組みであることを知ることが大事なのでしょう。自分の中に湧き上がってくる不安や悲観的な気分は自然なもので、否定するものではなく、うまく活用するものなのです。仮に「不安」が現実に則していないならそこは補正してあげる必要があるのです。


・心にもわたしたちを守る仕組みがあります。嫌なことが起きたときにその衝撃を和らげてくれる、心理的なメカニズム(p27)


この先どうなりたいかを考える

では、「不安」や「やる気が出ない」ことを、どのように補正すればよいのでしょうか。その方法は数多くあります。プラスの言葉を発すること。一休みして、美味しいものを食べること。「何がエネルギーを与えてくれるか」を考えること。「自分がこの先どうなりたいか」を考えること。つまり、体調を良くして、思考をプラスにもっていくように自分を誘導するわけです。


どうしてもマイナスの面ばかりに目が行きますが、今の状況のプラスの面に注目し、今やっていることが将来のプラスにつながることを意識するわけです。落ち込んでしまったときこそ、いったん休んで、次の一歩を踏み出す準備期間として前向きに試行錯誤をしたいものです。


・ポジティブな気分になれる「即効薬」・・・5分から10分の短い休憩を取り、ちょっとしたごほうびを自分に与える(p71)


「3つの良いこと」を考える

また、私が注目したのは辛い状況では、「3つの良いこと」を考えることを著者が推奨していることです。ドン底で四面楚歌の状況にあると、人はどうしても悲観的になってしまいます。そうしたときに、周囲にある良いことをピックアップしてみることで、マイナスだけではなくプラスのことがあることに気づくのだと思うのです。


仮に会社が倒産して、恋人から捨てられたとしましょう。収入もなく、自分は人から好かれないのではという自己否定を考えてしまいがちですが、プラスの面を考えることができないかということです。より良い会社や恋人と出会うチャンスかもしれない、自由な時間が増えて、好きなことをやってみよう、と考えることができないでしょうか。真っ暗闇の中でも、良いことを探してみると、一点の光が見えてくることもあると思うのです。


西欧人はポジティブなイメージがありますが、イギリス人でも不安や心配ごとで動けなくなる人がいるのだと安心しました。日本人は不安に感じやすいと言われていますので、こうした知識をうまく活用してきたいものです。リームスさん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・つらい別れから立ち直るため・・・「3つの良いこと」を考える(p164)


・不安や心配ごとが頭から離れない・・・「自分いじめ」をやめる(p113)


・悲観的な気分・・・今の気分はひとまず脇に置き、代わりに「自分がこの先どうなりたいか」に焦点を当て、それに沿った行動の計画を立てましょう(p123)


・イギリスの作家で詩人のG・K・チェスタトン・・「やる価値のあることなら、最初は下手でもやってみる価値がある」(p45)


・有酸素運動は、幸福感を高めてくれます(p51)


・自分にこう尋ねてみてください。「やることリストの項目のうち、今すぐに取りかかれて、達成感を味わえるものをひとつ選ぶとしたら、どれを選ぶ?(p102)


・その日のスケジュールに、「これをすると気分が上がる」「元気になれる」ということを加えましょう(p127)


▼引用は、この本からです
「STRESS FREE: ネガティブな感情を力に変えるケンブリッジ大学の研究者が明かす科学的に正しいシンプルな63のメソッド」オリヴィア・リームス
オリヴィア・リームス、ポプラ社


【私の評価】★★★☆☆(71点)


目次

第1章 スパッと決められずに悩んでしまう......優柔不断を克服する方法
第2章 やる気がなかなか出ない......先延ばしをやめて(下手でもいいから)始める方法
第3章 目の前の誘惑につい負けがち......揺るぎない自制心を育てる方法
第4章 ストレスをため込みすぎてぐったり......ユーモアを味方につける方法
第5章 心が「いっぱいいっぱい」でパンクしそう......自分で自分を落ち着かせる方法
第6章 不安や心配ごとが頭から離れない......マイナス思考のループから抜け出す方法
第7章 どうしても寂しさを感じてしまう......他者と幸せなつながりを築く方法
第8章 別れのダメージから立ち直れない......失恋や離婚の傷を早く癒す方法
第9章 どうしようもなく気分が落ち込む......逆境を乗り越えて成長する方法



著者経歴

オリヴィア・リームス(Olivia Remes)・・・ケンブリッジ大学の研究者。おもな研究テーマは、不安や抑うつをはじめとした、心の健康にかかわる問題。BBCラジオ・ケンブリッジシャー、BBC4「ウイメンズ・アワー」、米国公共放送NPRなどに出演、英国内外の出版物に記事も寄せている。TEDトークは大きな反響を呼び、現在までに500万回以上視聴された。


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