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「しょぼい起業で生きていく持続発展編」えらいてんちょう

2021/11/09公開 更新
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「しょぼい起業で生きていく持続発展編」えらいてんちょう


【私の評価】★★★★☆(85点)


要約と感想レビュー

 しょぼい起業とは、借金せず50万円程度の初期投資で開業し、毎月かかる賃料も10万以内に収めて、仮に失敗してもすぐに立ち直れる起業法です。この本で紹介している例では、札幌で月5万円のテナントを借りて初期投資50万円でラーメン店を開業しています。


 極端にいうと、しょぼい起業では最初は店舗で寝泊まりしたり、飲食店の商品で食べつなぐことで生活費を切り詰めることも可能です。経費がかかっていませんので、事業を黒字にするためのハードルは、きわめて低くなります。


・月家賃10万円以下の小規模飲食店は、赤字経営するほうが難しい(p53)


 面白い解説としては、この世の商売にはカレー的商売とシャンパン的商売があるというところでしょう。


 カレー的商売とは、マクドナルドのように決まった商品をつくって販売するという汎用性のある商売です。顧客はカレーが欲しくてやってきます。一方、シャンパン的商売とは、スナックのママさんのようにママの魅力で高いシャンパンやウイスキーを入れてもらう商売です。


 カレー的商売はカレーさえあれば、だれでも商売できますが、シャンパン的商売はママさんでなければ人は集まってきません。シャンパン的商売は個人の能力に負うところが多いので、しょぼい人にとってはハードルが高いのです。


・シャンパン的商売は経済のメインストリームではなく、成功への道は狭く厳しい(p37)


 しょぼい起業ではどうしてもオーナーの負担が大きくなりますので、オーナーがいなくても店が回る仕組みが必要となります。お店が回るようになったら、その事業を大きくするならフランチャイズ化でしょう。


 このように低リスクで商売をはじめられるので、本業を持ちながら、遊び感覚でやってみるのが面白いのではないかと思いました。起業は基本的に高リスク、高リターンですが、失敗してもダメージが小さいしょぼい起業は魅力的に感じるのです。


 "えらいてんちょう"さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言

・1人で全部抱え込まないで済む程度には、誰かを頼る手立てが不可欠(p102)


・「誰でも1日バーテンができる『イベントバー』」・・(p4)


・チラシを配りましょう・・警察が道路使用許可を取るよう求めてくる場合がある(p118)


・安売りを選ぶのは、店の存続を危うくする自殺行為であるばかりか「高く売れる価値を探さない怠慢経営」という点で、恥ずべき行為です(p121)


・地域に根付くための活動・・・キーパーソンのところへ菓子折を持って挨拶に行き、そこから芋づる式に交流を広げるのが手っ取り早い(p117)


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▼引用は、この本からです
「しょぼい起業で生きていく持続発展編」えらいてんちょう
えらいてんちょう、イースト・プレス


【私の評価】★★★★☆(85点)



目次

第1章 「とにかく生きる」から「豊かに生きる」へ
第2章 運や才能に頼らない、王道の「カレー的」商売でやっていく
第3章 あなたならどうする?しょぼい起業勢の失敗から学ぶ
第4章 北の国から立ち上がる「しょぼい学生起業家」不謹慎マンの野望
第5章 しょぼい起業の祖・難民社長が示す「ふつうの起業家」への道
内田樹×えらいてんちょう対談―しょぼい起業いまむかし


著者経歴

 えらいてんちょう・・・矢内東紀(やうち はるき)。1990年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。バーや塾の起業の経験から経営コンサルタント、YouTuber、著作家、投資家として活動中。2015年10月にリサイクルショップを開店し、その後、知人が廃業させる予定だった学習塾を受け継ぎ軌道に乗せる。2017年には地元・池袋でイベントバー「エデン」を開店させ、事業を拡大


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