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「老後資産の一番安全な運用方法 シニア投資入門」西崎 努

2021/11/01公開 更新
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【私の評価】★★★★☆(80点)


要約と感想レビュー

 著者は証券会社の社員だったので、証券会社は業績を上げるために、担当者にノルマを課して、顧客に手数料の高い商品を売りつけている実態が垣間見れる一冊です。


 証券会社社員の反応には3種類あって、たんたんと商品を売ってノルマを達成する社員と、顧客のためにならない商品を売ろうとしない社員がいます。ノルマを達成しないということは、出世を諦めていることになります。


 3番目の証券社員は、そうしたジレンマに耐えきれずに、証券会社を辞めて独立して顧客のためにアドバイスをする道を選びます。ただ、独立して十分な収入を得られるかどうかは保証されません。著者は最後の道を選び、独立系フィナンシャルアドバイザーとなったのです。


・証券会社は・・・新規公開する企業の要望に沿ってなるべく高値で株を売ろうとします・・・販売する担当者としては、顧客に損をさせたくない(p99)


 投資の運用コストは最大でも年1%以下。株式より債権。儲けようとしないなどシニア投資として老後を見据えた人向けに良心的で妥当なアドバイスだと思いました。若い人であれば、30年、40年といった長期投資できるので、上下するリスクがあっても長期的に成長が期待できる株式投資はインフレ対策としても合理的なのです。


 その一方で、10年20年で資産を使っていくであろう高齢者は、資産を増やすのではなく減らさないことが大事なのです。退職金で数千万円の小金を持ったときも証券会社や銀行の担当者の言いなりにならず自分で勉強したうえで、お金の配分を考えたいものです。


・減らさないことが第一です。収入も時間も限られている中で、高いリターンを狙うのは失敗したときのリスクがあまりにも大きすぎます(p49)


 ライフプランを作って、いつどのくらいお金が必要となるのか、把握することが資金運用の第一歩となることがわかります。現在、家計簿をつけていない人は自分のお金の流れも把握するためにも家計簿をつけはじめましょう。そして、自分の死までライフプランを作るのです。


 お金の足りない人は稼げばいいし、お金が余っている人は遊べばいいのです。そしてかなり余っている人は著者にアドバイスをもらいましょう。西崎さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言

・証券会社の販売担当者の本音・・・ライフプランや他に保有している商品の話はあえてしません。なぜなら、ライフプランの話は1時間や2時間では終わらず、場合によっては証券投資よりも保険や不動産が適しているかもしれない・・(p102)


・コストが高い金融商品はシニア投資家には不向き(p39)


・「投資信託・ETF」ではなく「個別銘柄の債権」を注文する(p111)


・今だけキャンペーンというと魅力的に思えますが、飛びつくのは失敗のもとです・・・自分のニーズに合った運用でなければ無用なリスクとコストが発生する恐れがあります(p155)


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▼引用は、この本からです

西崎 努、アスコム


【私の評価】★★★★☆(80点)



目次

第1章 今ある資産を減らさず自由に使えるのがシニア投資
第2章 安定、シンプル、低コスト。シニア投資に最適な金融商品は「債券」
第3章 おすすめ商品、人気商品は罠だらけ。金融機関の提案が要注意な理由
第4章 金融機関にお任せはもう終わり。今投資家の支持を集めるIFAとは
第5章 無駄を徹底カット、安定度は劇的アップ。シニア投資の実践例


著者経歴

西崎 努(にしざきつとむ)・・・リーファス株式会社 代表取締役社長。2007年にSMBC日興証券に入社、CFP資格も保有する全国トップセールスとして活躍し、シンガポール・ロンドンでの海外研修も経験。帰国後はIPOや公募増資等の引受業務に従事する。2017年に独立し、リーファス株式会社を設立。金融商品の仕組みはもちろん、運用実務、大手銀行や証券会社の販売手法まで熟知したアドバイスが好評。預かり資産はわずか4年で90億円を超える。仕組みがわかりにくい金融商品、コストが割高な商品が売れすぎる日本の現状を問題視し、本当に安心して老後資金を増やすための情報発信を続けている。


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