「元手10万円で100億円の売上をつくった事業のコピペ術―フランチャイズ本部のつくり方」宮嵜 太郎

【私の評価】★★★★☆（88点）

要約と感想レビュー

　著者は「古式とうふ 豆吉郎」という豆腐の移動販売ビジネスをはじめました。5日間やってみてわかったのは、一日の売上は5000円。頑張れば一日3万円くらいは売れるだろうということです。

　そこで著者は、自分で豆腐を売るのをやめました。自分の代わりに販売員を集めて、売り方を教えて売ってもらうのです。1年後には販売員20人になっており、さらに成長するためにフランチャイズ本部の準備を始めたのです。

・「豆腐を売ろう」と思ったのも、粗利率が高い商品だったからです・・・粗利益率が50％以上の商品は豆腐と魚、野菜くらい（ｐ81）

　フランチャイズとは「売れる仕組み」を売るビジネスです。フランチャイズにするためには、確実に黒字になる商売の仕組みを作る必要があります。

　つまり、利益率の高い商品を作り、誰でも製造できる仕組みを作り、誰でも売れるマニュアルを作るのです。フランチャイズにすれば、開業資金は加盟店オーナーが負担しますので、自己資金なしで事業が拡大していくことができるのです。

・1店舗目は、事業を早く軌道に乗せて、「事業のコピペ」でいうところのマスターづくり（ビジネスの仕組みをパッケージ化すること）に集中すべきです（ｐ99）

　著者は豆腐販売をフランチャイズ化して年商100億円を達成しました。

　職人気質と言われる日本人こそ、この本を読んでフランチャイズを学ぶべきだと思いました。仮に職人の作った素晴らしい商品があったとして、ブランドを作り、売れる仕組みを作れば、フランチャイズで日本、世界に素晴らしい商品を広げることができる可能性があるわけです。

　コンビニ、ワークマン、弁当屋、ハンバーガー、唐揚げなど世の中がフランチャイズだらけである理由がわかりました。

　宮嵜さん、良い本をありがとうございました。

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この本で私が共感した名言

・フランチャイズ本部の役割・・・経理・商品開発・人事・製造・・・加盟店の役割・・営業（販売）（ｐ34）

・商品開発や製造に関しても、同様に本部が一括しておこなったほうが、ブランドの統一性や、大量生産（仕入れ）などの面でメリットがあります（ｐ35）

・機械化を進めて誰が作業しても同じクオリティ・・・誰でも施術できる定番の髪型に特化・・・こういった割り切りが必要です（ｐ62）

・「この時期に売れる」といった特性・・・天気や曜日によって変わるものもあるでしょう・・・よいフランチャイズ本部は、そういった「売るためのノウハウ」をたくさん持っています（ｐ44）

・フランチャイズ本部運営には、「本気度の高い人だけを集められる」というメリットもあります（ｐ49）

・マニュアルは「禁止事項」を先に浸透させる・・・加盟店オーナーの皆さんはその制限以外の部分でのびのびとやってくれます（ｐ110）

・一人のオーナーに特例をつくらない・・・情報が筒抜けなのは、オーナー同士のネットワークが存在するからです（ｐ138）

・起業してから12年間で4社が倒産。開設した移動販売の事業所50のうち25が撤退。1年間で当時運営していた飲食店など11店舗中9店舗を撤退させたこともあります（ｐ181）

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▼引用は、この本からです

【私の評価】★★★★☆（88点）

目次

プロローグ フランチャイズ本部運営の基礎知識
第1章【マスターの章】誰でも黒字にできる事業をつくろう
第2章【コピーの章】フランチャイズ本部をつくろう
第3章【ペーストの章】加盟店を増やして事業を拡大しよう
第4章起業・事業拡大に関するリアルQ&A

著者経歴

　宮嵜太郎（みやざき　たろう）・・・V&Mパートナーズ株式会社代表。株式会社豆吉郎(現・西日本新聞社グループ)の創業者。1980年福岡県生まれ。2005年食品の移動販売会社「豆吉郎」を創業。西日本を中心に、フランチャイズモデルにて25営業所、移動販売車両125台を展開。全国最大の移動販売組織を構築、運営。2017年西日本新聞社に全株式を売却。2018年東京都内のベンチャーキャピタルに参画。2019年V&Mパートナーズ株式会社設立。次代の経営者育成に取り組む

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