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「HOW FINANCE WORKS ハーバード・ビジネス・スクール ファイナンス講座」ミヒル・A・デサイ

2021/07/20公開 更新
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「HOW FINANCE WORKS ハーバード・ビジネス・スクール ファイナンス講座」ミヒル・A・デサイ


【私の評価】★★★★☆(83点)


要約と感想レビュー

 ハーバード・ビジネス・スクールのオンライン・ファイナンス講座を基に書籍化した一冊です。内容としては学生向けの教科書ですから、財務関係の基本的な内容となっています。


 面白いのは、最初に14の業種の異なる会社の財務データが記載されていて、それぞれの企業はどれか?当てるクイズになっているということでしょう。若干、突っ込みたくなるところもありますが、学校の先生なので、許容することにしましょう。


 例えば、電力会社の在庫が少ないのは電力は貯蔵できないからとしていますが、電力が貯蔵できないのは当たり前のことであり、燃料の在庫の少なさに注目すべきでしょう。(ガスパイプラインなら在庫は0か?!)


・有形固定資産の大きな会社のうち・・・ノードストロームは大きな在庫を持っているだろうが、デューク・エナジーはほとんどない(電力は貯蔵できない)(p37)


 IRRやDCF(割引キャッシュフロー)の現在価値等は、企業内で投資案件の判断に使われています。適切な割引率が使われていない例や会社によっては投資判断の基準が明確化されていないところもあるようです。


 社員レベルなら費用と資本的支出の違いや、経営者なら減価償却や在庫の原価への影響や投資判断のための最低限の財務の知識は必須だと思うのです。私の印象ですが、日本においては財務といえば経理部におまかせで、一般社員への教育が不足しているように感じますので、こうした本がもっと読まれるべきなのでしょう。


・シャープは工場建設に48億ドル使った・・・キャッシュフローの現在価値は32億ドルと計算していた・・・シャープは絶望的となり、堺工場の46%を鴻海精密工業の会長、テリー・ゴウに7億8000万ドルで売却することを決めた・・・シャープは工場の処分ができて喜んだが、当時の真の価値32億ドルよりはるかに低い価格で売却したことになる(p80)


 訳者に会計士レベルの知識や経理部での経験が少ないためか、専門用語の不正確さが見られましたが、許容範囲内でしょう。日米の会計ルールの差で、日本にピッタリの専門用語がないものがあるのかもしれません。


 そうした点を割り引いて(ディスカウント)も、学生に財務に興味を持ってもらうためには必要十分な内容だと思いました。大事なのは財務の数字を見て、どのように考えるのか、どこに着目するのかということだと思います。


 デザイさん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言

・業種の異なる3社について考えよう。世界的な鉱業金属会社のリオ・ティント・グループ、ミニミル電炉メーカーのニューコア、そして高級ファッションのバーバリーの3社だ。それぞれの会社で、どの比率を見るべきか?当座比率?流動比率?(p21)


・自社株買いで株を売りキャピタル・ゲインを得る投資家は、低い税率を払うことになる。だが、配当にかかる税率は高い。この税金の関係で、自社株買いが配当よりも好まれると考える人が多い(p204)


・割引キャッシュフロー(DCF)分析を使って家を買う・・・家の価値を決める主なものは、いったん家を購入すれば支払わなくて済むようになる、家賃支払だ(p165)


・教育を価値評価する・・・学士の学位を持つ人は高卒で同様の仕事をする人に比べて、生涯賃金が100万ドルほど多い・・・このキャッシュフローの現在価値は、学士で51万ドル・・学費が51万ドル以下であれば、学士の学位を取ろうとするだろう(p174)


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▼引用は、この本からです
「HOW FINANCE WORKS ハーバード・ビジネス・スクール ファイナンス講座」ミヒル・A・デサイ
ミヒル・A・デサイ、ダイヤモンド社


【私の評価】★★★★☆(83点)



目次

Introduction 序論
第1章 財務分析入門
第2章 ファイナンスの思考法
第3章 ファイナンスを使うプレイヤーたち
第4章 価値創出の本質
第5章 価値評価のアートと科学
第6章 資本配分
Conclusion 結論
各章末練習問題の答え


著者経歴

 ミヒル・A・デサイ(Mihir A. Desai)・・・ハーバード大学教授。ビジネス・スクール(経営大学院)でファイナンスを教え(みずほフィナンシャルグループ教授)、ロー・スクール(法科大学院)では税法を教える。インドで生まれ、香港とアメリカで育つ。ビジネス・スクールの学生時代には上位5パーセントに与えられるベイカー・スカラーに輝き、その後フルブライト奨学生としてインドに留学。ハーバード大学で政治経済学の博士号を取得した。研究は金融専門誌だけではなく、経済誌やニューヨークタイムズ、ワシントンポスト、ウォール・ストリート・ジャーナルなどで取り上げられている。2001年にはビジネス・スクールで教える優秀な教師を表彰する学生協会賞を受賞


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