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【書評】「医者が教える「ヤブ医者」の見分け方」金子 俊之

2021/05/18公開 更新
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「医者が教える「ヤブ医者」の見分け方」金子 俊之


【私の評価】★★★★☆(86点)


要約と感想レビュー


バリウム検査を勧める医師はヤブ医者

リウマチ・膠原病(こうげんびょう)の専門家が教えるヤブ医者の定義です。


高齢者に6種類以上の薬を出す医師、軽い風邪に抗生物質を処方する医師、バリウム検査を勧める医師はヤブ医者であるとしています。なぜなら、多くの薬を服用すると相互作用で副作用の危険があること。風邪に抗生物質は効かない。バリウム検査にも健康被害のリスクがあるからです。


バリウムを平気で勧めてくる医者は良心を欠いた医師・・・米国をはじめ海外では使用を控えている病院がほどんどだと言われています(p67)

4つ以上の診療項目を掲げるのはヤブ医者

また、医師には専門がありますが、著者は自分の専門を極めることでさえ難しいと感じているのに、4つ以上の診療項目を掲げる開業医には不信感を持っているようです。


同じように検診医療機関で導入した機材の投資を回収するために、無意味なオプションや検査を勧めることも許せないようです。つまり、プロとしてお客(患者さん)に最新の知見によって最善の治療・検査を提案するのが医師であるということです。


小規模クリニックながら診療項目が4個以上ある開業医には注意が必要です・・・医師の親子がそれぞれの専門科目を掲げているといったケースであれば別に問題はありません(p19)

薬をたくさん出すのはヤブ医者

ただの風邪に抗生物質をむやみに出す医者はヤブ医者であるように、高齢者に薬をたくさん出す医者はヤブ医者です。なぜなら、4種類以上になると薬の副作用や相互作用がわからないからです。


薬を6種類以上服用している患者は、転倒のリスクが2倍近く増加し、認知障害のリスクが増加するというデータがあるという。薬が多いから認知症になるのか、認知症になる老人は薬が多いのかわかりませんが、基本的に薬は副作用をともなうのです。


薬の相互作用が予測できるのはせいぜい2~3種類(p24)

ヤブ医者は患者が作っている

ただ、ヤブ医者が存在するのは実は私たち患者が原因であることもあるようです。例えば、なぜなら、風邪のひき始めの人など薬の必要のない患者さんに「温かくして家でしっかりと睡眠をとってください」と言うと、「何もしれくれない医者」と口コミサイトに書かれてしまう。


本来、がん告知は患者にまず伝えるべきですが、日本の場合はなぜかご家族に優先的に伝えるという。なぜなら、がん患者に告知すると家族から、「なぜ本人に告知したのか」とクレームを受けることが多いからだという。


このように患者のためを思っていても、日本では批判を受けることも多いのです。日本人として申し訳ない気持ちになりました。金子さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言


・「国の決まりで薬は二週間分しか出せない」と嘘をつき(大昔はそうでした)必要もないのに通院の回数を増やそうとするヤブ医者もいます(p34)


・高齢者の方に延命治療をしてしまうことは正直に言って本人のためにならない・・・本人は延命を望んでいなくても家族がそれを受け入れられずに心臓マッサージや人工呼吸器といった延命治療を選択してしまうケースが圧倒的に多いのです(p100)


▼引用は、この本からです
「医者が教える「ヤブ医者」の見分け方」金子 俊之
金子 俊之、ゴマブックス


【私の評価】★★★★☆(86点)


目次


第1部 ヤブ医者の見分け方
第2部 ほんとうに頼れる医者の見つけ方



著者経歴


金子俊之(かねこ としゆき)・・・医師・医学博士。1979年生まれ。金沢医科大学医学部卒、順天堂大学大学院医学研究科修了、日本リウマチ学会専門医・指導医、とうきょうスカイツリー駅前内科院長を経て、医療法人社団 松寿会 理事長。リウマチ・膠原病を専門に力を注ぐ。


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